-前回のおさらい! -
前回の記事では、事故は「住宅等居住場所」の屋内(特に居室・寝室)が最も多く、次に「道路・交通施設」が多いとお伝えさせて頂きました。
そのため、環境調整は優先的に居室・寝室から行うべきであるともお伝えしています。
環境調整では、障害の種類や程度を考慮しなければ効果が得られないばかりでなく、利用しにくいものになってしまうことがあるため、利用者の疾患の特性や身体機能、介助量を見極め、それに適した方法で対処することが必要となります。
-環境調整で確認するべきワンポイント! -
まずは動線を確認する!
動線とは私たちが生活の中で実際に通る道筋のことですね。家屋改修や環境調整をする際に、口頭での確認だけでなく利用者さんに実際に歩いて頂き動線を確認していますか?
この作業が疎かになってしまうと、先程お話しした利用しにくいものが作られてしまうと共に、ここが利用者に寄り添うリハ専門職の見せ所であると思います。
作業としては、1日の中で最も長く過ごす場所(おそらくはベッドか自分の席になるかと思いますが。)を中心として、トイレ、食堂、玄関など実際に通る場所をたどって確認しましょう。
「居室編」
電気コード、小物・雑誌類には注意
居室内での注意点としては電化製品のコードやコタツの布団の端が動線上を横切っているパターンが多いですね。そのため、電気コードは部屋の隅やカーペットの下を通すなどの工夫が必要です。また、広げたままの新聞や小物などつまずきやすいものは端へ片付けましょう。
カーペットは端、毛足の長さに注意
カーペットの端は浮きやすくつま先に引っかかります。端を床に両面テープで固定するなどの浮き上がらない工夫が必要ですね。
また、毛足の長いものも同様に足を取られやすいため注意が必要となります。
もし、カーペットを使うのであればパネル状のものが良いですね。硬い素材は浮き上がりにくく、ホームセンターや家具のお店でも多くの種類やデザインがあり選びやすいです。
ニトリHPより引用:https://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/CarpetRugMat/JointMatTileCarpet/5609902s?ptr=item
フローリングと靴下の組み合わせは危険
フローリングの上を靴下で歩くことは滑って危険であり、足指の動きも制限してしまいます。靴下を履くときには滑り止め付きのものを使用し、スリッパではなく室内履きを履くようにしましょう。
夜間の動線には間接照明の設置
高齢者は暗いところで目が慣れるのに時間がかかり、手すりを掴み損ねることで転倒する機会も多くみられます。そのため、夜間トイレに行く際にはベッドからトイレの間には足元灯などの間接照明を設置した方が安全です。
(アイリスオーヤマHPより引用:https://www.irisplaza.co.jp/index.php?KB=SHOSAI&SID=H243041F)
今まで気にならないで見過ごしていた部分もあったのではないでしょうか?
意識してみないと自宅では危険な個所も多く存在しており、上記のような箇所を少し注意するだけで、在宅での生活は安全に過ごせていけますよね!
<住宅改修に関して>
(テクノエイド協会HPより:http://www.techno-aids.or.jp/jyutaku/index.shtml)
まとめ
●環境調整は、まず居室を中心に動線を確認する。
●障害の種類や程度を考慮しなければ、利用しにくい物になってしまう
●カーペットや電気コード、足元灯など一工夫加えるだけで転倒を減らすことが出来る
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