慈恵医科大学病院が医療ミスを防ぐために「診断報告書」を要約して患者に交付するという新しい取り組みを実施し注目を浴びている。
東京慈恵会医大付属病院は画像診断部、内視鏡部、病理部が作成した診断報告書を要約し、原則として全ての患者に交付することを決め、2018年 4月から実施に踏み切った。画像や病理検査で患者のがんが見つかっていながら医師間の連絡不十分のため放置されるという医療ミス事件が続いたことからの対応だが、思い切った改善策は全国の病院の注目を浴びそうだ。
医療者間の連携時のミスによる、画像診断や病理検査などの見落としを防ぐために患者さんにも情報共有することでミスを防ぐという策である。
そもそも医療者間での情報共有のみで患者サイドに分かりやすく伝えることをしていなかったのは問題である。
大学病院の勤務医は専門性が高く、それが故に専門外の部分や症状と全く関係ない部位にある異常にあまり気づきにくいということが背景にあると予想される。
これはPTOTSTにとって、全く関係ない話とは言えないのではないだろうか。
脳画像やレントゲン画像など、症状などを一旦抜きにして画像を見てみると、思わぬヒントが見つかるかもしれない。
また、患者サイドへ情報を共有する医療コミュニケーション的アプローチはもちろん大切だが、もしかするとこの手の問題はテクノロジーで解決するのが早いかもしれない。
現在病院で使われている電子カルテはUI・UXがひどいものばかりである。
この分野の発展は急務であると考える。