今回は、肩関節の触れ方を『屈曲運動』にフォーカスしていきます。では、基本的な評価ポイントをみていきましょう。
肩関節とは
肩関節は人体の中で一番自由度の高い関節である為、関与する筋や腱、靭帯の数も非常に多いのが特徴です。また、肩関節とはやや広義な表現となり、肩甲上腕関節や肩鎖関節など複数の関節を含んで表現されることもあります。
【屈曲運動】
屈曲運動は3相に分けられ、作用する筋が変化していくのが特徴となっております。
○第1段階(0~50-60°)
<作用する筋>
・三角筋前部繊維、鎖骨線維束
・烏口腕筋
・大胸筋上方、鎖骨線維束
肩甲上腕関節での屈曲は、①烏口上腕靭帯の緊張②小円筋、大胸筋、棘下筋の2つの因子で制限される
○第2段階(60~120°)
肩甲帯が作動する
・上腕骨に伴って動く、肩甲骨の上方回旋は関節窩を上前方へ向かせる。
・機械的に連結している胸肋鎖関節と肩鎖関節における長軸回旋は、それぞれ30°負担している。
<作用する筋>
・僧帽筋
・前鋸筋
肩甲胸郭関節におけるこの屈曲は広背筋と大胸筋の下部線維束の抵抗により制限される
○第3段階(120~180°)
上肢の拳上は、三角筋・棘上筋・僧帽筋の下部線維束・前鋸筋により継続される。屈曲運動は、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節においてブロックされるので、脊柱を参加させる必要がある。
もし屈曲が片側のみである場合は、最大外転、ついで脊柱の側方傾斜によって運動を完結させることが可能である。もし屈曲が両側である場合は、腰筋の作用による外転、過剰前弯によって可能になる。
(引用文献:A.I.KAPANDJI 塩田悦仁(訳) カラー版カパンジー機能解剖学 Ⅰ上肢 原著第6版 医歯薬出版 2011年)
肩関節屈曲運動を評価してみよう
下の写真を見てみましょう。
肩関節屈曲時に途中で疼痛が発生している方の連続写真です。先程の3相と合わせて評価できると良いです。
主な特徴としては、
・肩関節屈曲可動域の制限がある
・屈曲開始時に体幹の後方移動(写真では見えないですが)が生じており、上肢を支持する際の体幹と下肢の反応がやや低下している
・2相から3相へ移行する際の体幹伸展の代償が強く生じている
疼痛を予測している動作の為、近位の筋活動が先行して生じており(防御収縮)末梢部の伸展が遅延しているなどで、あげれば問題点は更に出てくる方ですね。こういったように、肩関節屈曲という臨床場面で評価頻度の多い項目で、基本的な解剖学の復習と触診の練習会、臨床で使える評価と治療をみんなで学習する機会を定期的に設けています。
詳しくは、下記で!
【触診交流会 in 神奈川】
上肢編 2018年8月4日(土)19:00~21:00
・肩甲棘 / 上下角 / 烏口突起 / 大小結節 / AC/SC関節 / ローテーターカフ / 上腕動脈 / 橈、尺骨茎状突起 / 手根骨(豆状骨、三角骨、有鈎骨、舟状骨、大菱形骨、月状骨、有頭骨)
神奈川県川崎市多摩区東生田1-10-1栃倉ビル1F
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