肘関節とは
○肘関節は末梢(手部)を中枢に近づける機能を持ち、摂食行為をはじめとした巧緻動作の基幹的役割を担っている。
基本的な評価
視診
一般的に理学療法評価の初見時には、視診や問診から開始されることが多い。とくに、姿勢やアライメント評価は患者と対面した瞬間から始まっている為、下記のような項目は経験のある療法士であれば(肘関節に限らず)意識せずとも自然に行っている項目ともいえる。
肘窩/肘頭の向き
⇒体幹/肩関節に対しどの位置にあり、姿勢にどんな影響があるか。肘窩が内側を向いている場合は、近位部の屈筋の影響を強く受けている可能性がある
・肘関節の伸展角度
・上腕二頭筋/上腕三頭筋の位置
⇒主動作筋/拮抗筋の位置関係が上腕骨に対しきちんと表裏一体となっていない場合、機能的に運動の非効率性を生じさせる可能性がある。また、筋腹が垂直方向に対し下制している場合は、筋収縮がし難い状態ともいえる
・左右差
⇒正中軸に対しての位置(体幹との距離)、高さ、皺の位置と走行など
触診
実際に触れて評価をする際には、関節可動域、疼痛の有無といった基本的な項目に加え、円回内筋や上腕二頭筋停止部などの疼痛頻発部位や肘角の確認、上腕骨下端と橈骨/尺骨の関節部の関節運動を伴った触診による、endfeelの制限因子の判別などが挙げられる。
触診を行う際のポイント
・手指に力を入れず、対象の形状にfitするよう指·手掌の形をつくる
・皮膚/筋/靭帯/筋膜などの深度(圧)調整することで触れ分けをする
・筋は、edge·重力に対しての筋腹の位置·起始停止の位置関係を評価
・分かりにくい時程、優しく触れる
※厳密には、骨を触れる際には「隆起部と溝部」で触れ方が違ったり、「関節運動を伴った触診」が必要な場面も多くあります。これは、整形外来やオステオパシーなどを行う療法士が特に得意な分野でもあり、筋や筋膜の状態から疼痛の有無や特徴的な身体の使い方などを予測することもある。
○触診時には、解剖学的知識と運動学的知識を持ち、動作のイメージが出来る事が大切で、ただなんとなく触れるのではなく、対象を絞り、触れたことで動作時のイメージが出来る事が臨床では大切になってきます。
まとめ
肘関節は構造や機能が他の部位に比較し単純な構造を持つ部位であるが、肩関節/手関節の中間に位置する中間関節としての意味合いや、摂食動作/清拭動作などを中心とした自らの身体から手部を近づけたり遠ざけたりする機能を有する関節である為、臨床場面での治療的意味合いは大きい部位といえる。
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≪参考文献≫
A.I.KAPANDJI 塩田悦仁(訳) カラー版カパンジー機能解剖学 Ⅰ上肢原著第6版 医歯薬出版 2011年
坂井建雄·松村譲兒 プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版 2011年