9月5日発の官報で、①眼振電図検査(冷水若しくは温水、電気又は圧迫による刺激を加えて行うものを除く。)と②重心動揺計検査という2つの平衡機能検査が、新たに実施できる検査として加わったことが記されている
平衡機能検査は主にめまいの程度や障害部位の特定に用いる検査法である。眼振電図検査は、顔の5個所に電極を貼り器械を使って眼の動きを観察・記録するもので、重心動揺計検査は、重心動揺計に乗り、直立起立姿勢に現れる体重心の揺らぎを測定するものである。
言語聴覚士は、補聴器や人工内耳に関わる耳鼻咽頭科関連についての知識があり、今回の改定により職域の拡大にも繋がるのではないかと期待される。平成30年4月版の国家試験出題基準にも、めまい疾患や平衡機能検査は範囲内に設定されているため、既に教育過程に取り入れられてはいるが、いざ臨床で検査を行なっている言語聴覚士は少数だろう。
めまいに悩まされて病院を受診する高齢者人口は増加傾向にあり、転倒・骨折へのリスクにもなり得やすい疾患である。一般社団法人日本めまい平衡医学会が平衡機能検査技術講習会の中で実施技術を伝達しており、是非多くの人に受講していただきたい。