生涯、現役PTでいるために【理学療法士|田口順子先生】

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未来ある君たちへ

インタビュアー:今の若手療法士や学生が不安に抱えていることについて先生はどのように思われますか?

田口先生:最初からうまくいくことなどありません。自己評価が高すぎるよりは、新人として謙虚に物事に対処するタイプの方が将来の成長が期待されます。

 

ほとばしる情熱は長続きしません。生涯教育の中で謙虚に学び続けることでしょう。

私も数校の大学で学生たちと講義を通して話をする機会がありますが、とても真面目で素直、将来の仕事に希望を持って取り組んでいるという印象を持っています。

 

成長の過程で不安を感じるのは自然のことです。その不安を少しでも自信に変えていってあげる教育環境、臨床実習、卒後研修などの重要さが問われます。いつでも不安を抱えさせたまま患者さんの前に立たせるのは教育の責任でもあります。

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昔と今とこれからと

インタビュアー:先生が現在取り組んでいらっしゃることはなんでしょうか?

田口先生:昭和41年に卒業してすぐに母校の教師をして、義肢装具、ADL、運動学を教えました。「1時間の講義のために4時間の準備を」とWHOの指導者から言われ授業中の様子も監視されました。

 

復習のための5分間のショートテストの実施、板書中も学生の目を見て書くこと、いつでも質問ができる雰囲気等など今でも助言を忘れないでいます。非常勤講師として大学に行かせていただいますが、授業方法も視聴覚教材を生かして随分変わっていきましたね。

 

また、小さな整形外科クリニックですが働かせていただいています。治療技法も50年前とずいぶん変化、進歩してきています。私自身の変化は治療法にとても興味があったのですが、今は治療法もさることながら、患者さん一人と向き合える時間を大切にしています。

 

一昔前のような治療者としての上から目線はなくなりました。これから療法士に強く期待される在宅リハには多様な対応能力が問われるでしょう。

 

ある意味では、在宅でのアプローチはリハ技術が集大成されたものですから、ご自身の生活技術を身につける事が先決ですね。

 

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田口順子先生経歴

【経歴】

理学療法士 Ph.D

フェルデンクライスメソッド国際公認資格

PTOTフェルデンクライス研究会代表

上馬整形外科クリニック勤務

JICA技術顧問

生涯、現役PTでいるために【理学療法士|田口順子先生】

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