慢性腰痛者は運動恐怖がある場合、腰を曲げ伸ばした際の方向を切り替える動作に時間が必要であることが判明した。
▶ 慢性腰痛者の運動恐怖は、腰の曲げ伸ばし動作を緩慢にさせる
畿央大学の大住倫弘准教授、森岡周教授らは、東京大学医学部付属病院の住谷昌彦准教授、甲南女子大学の西上智彦准教授、壬生彰 助教らと共同で、地域に在住している慢性腰痛者を対象に研究を実施。
無線タイプの電子ゴニオメーターを使い、対象者には、合図の音と共にできるだけ大きく、速く腰を曲げ、すぐに元の姿勢に戻るように指示し、腰の曲げ伸ばしの動作を計測した。研究の結果、合図の音から腰曲げ動作が始まるまでと、腰を曲げる動作の最大速度から腰を伸ばす動作の最大速度において時間がかかっていることが明らかとなった。
今回の研究結果について、体を曲げ伸ばしする際に、躊躇あるいは凍結のような現象が起き、どちらも腰椎を過剰に保護しようとしたことで起きたと考えられるとのこと。
今後の展開として、運動開始あるいは運動方向の切り返しは腰痛が重症化する前の初期症状であることが考えられるため、この症状をリハビリテーションによって改善させることができるかが検証される予定だ。