今月7日、文科省と厚労省の合同プロジェクト「難聴児の早期支援に向けた 保健・医療・福祉・教育の連携プロジェクト」の第4回が開催され、聴覚障害の特別支援学校などにおける、3歳未満の難聴児への教育相談の充実などを盛り込んだ報告書を取りまとめられた。
先天性の難聴は、早期発見による適切な療育が行われると、有効に音声言語の発達を促すことが可能である。そのため新生児聴覚検査の実施率向上や療育支援の充実が現在重要視されている。7日の会合では、特に0~3歳の難聴児への早期介入について、現状は適切なタイミングで医療や療育の提供がなされておらず、自治体や医療機関、学校などとの連携体制が不十分であると指摘。具体策として、2021年度までに難聴児の早期発見・療育を推進する基本方針を作成し、それに基づいて都道府県は「難聴児早期発見・早期療育推進プラン」を作成する。
また、本プロジェクトには日本言語聴覚士協会も携わっており、①聴覚障害領域における言語聴覚士の雇用と療育等の拡充、②聴覚障害領域の言語聴覚士の資質向上の二つの提言を述べている。
①に関しては、「精密検査機関(病院耳鼻咽喉科)における雇用促進」「耳鼻咽喉科クリニックでの雇用促進」「難聴児療育施設(児童発達支援センター)の増設」「児童発達支援や放課後等デイサービスの利用」「特別支援教育における雇用促進」、②に関しては、「臨床実習施設としての耳鼻咽喉科・難聴施設の少なさ」「 協会の生涯学習への参加促進(一般会員への聴覚領域 の講習会開催、認定言語聴覚士の評価の向上)」「関連する学会との協力」をはかっていく予定だ。