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作業療法士の強みは"その人らしさ"の再獲得【堀越 啓仁】

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ー 堀越さんからみて、リハビリテーション職の強みってなんだと思いますか?

 

堀越 活動量と生活を一体として考えて、活動量が身体的な予後やその人らしさ、心の安定と繋げて考えるスキルを持っているのがリハビリテーション職の強みだと思います。

 

例えば、農福連携と言われていますが、作業分析をして農業の持っている機能について考えていけば、自ずと、どうやったら障害を持っている方々が従事できるのかと障害者雇用にも結び付けられます。

 

仕事も生活の一部としてみることができる。しかも、医療的知識も病理学も持っていますから、作業工程を組み替えていって、活動できるように転換することができると思います。それを民間や一産業に落とし込んでいくことは作業療法士として必要だと思います。民間でもっと活躍してくれる理学療法士・言語聴覚士が増えるといいなと思っています。

 

やっぱり根底にあるのは、その人らしさの獲得。その人がその人らしく生きられるように支援するということは、歩けるようにして家に帰るようになればいいというわけではありません。

 

その人らしく生きることが、音楽を楽しむことであったらそれを支援してあげてください。仲良い友達とお茶をすることだったら、それを支援してあげてください。僕はよく後輩に、自分の世界が全てだと思っちゃダメだと伝えています。それはある意味では多様性の裏返しです。人によっては靴を履く順番だって違うし、身体の洗う順番だって違う。

 

理学療法士・作業療法士というのは、個人のパーソナリティーにすごく入り込んでいく多様性を重んじる職種なわけです。今の時代「多様性」はキーワードになっていますし、リハビリテーション職は社会でもっと活躍できるはずです。

 

目の前の人のストーリーを大切に

 

堀越 だからこそ、狭い世界の中だけでリハビリテーションの持っている素晴らしさを終わりにして欲しくないと思います。

 

作業療法士がどんなことができるのか。保険外の部分で活躍している作業療法士だっていっぱいいるのに、まだそれが全然広がっていません。専門職内であってそうなのだから、世間からしたら知るはずもありません。まずは、一歩踏み出してもらいたいと思います。

 

例えば、作業療法士の杉村さんが社長の光プロジェクト(株)では、買い物に行きたいんだけど歩いていけるところにショッピングセンターがないために「買い物難民」になってしまった高齢者を、送迎して専用のカートで運動しながら買い物をしてもらう”ショッピングリハビリ”という総合事業を行なっています。今ある社会問題に対して、作業療法的視点で事業展開できているのがシンボリックですごくいいなと思っています。

 

その人らしさを探求していけば、まだまだ社会でやれることはいくらでもあると思います。学術的な部分ももちろん大切なのだけれど、それよりも目の前の人のストーリーを大切にしてもらいたいっていうのは思っていて。ストーリーを意識できない人は患者さんを幸せにすることはできないと思います。

 

昨年、日本作業療法士協会の定義が変わりましたが、「幸福を促進するために」という文言が入っているのは本当に凄いことだと思っています。ストーリーに対して、自分がどんな道具になって働くことができるのかということに、貪欲になってもらいたいと思っています。

 

それを知るためには、自分の人間性を高めなくてはいけません。いろんな場所に顔を出して、沢山の人の考えを聞いて感性を育てていってもらいたいなと思います。

 

目の前の人のことを幸せにしたいと思ったら普通勉強しますからね。必要に迫られる。勉強してその患者さんを幸せにするんだではなく、幸せにしたいから勉強するんだというようになってもらいたいです。

 

堀越先生も登壇!参加無料です⬇︎

【日時】 5月30日(土) 21:00~22:30

【参加費】無料 ※セキュリティーの関係上、POSTの会員登録(無料)が必要になります。

【定員】95名

【参加方法】ZOOM(オンライン会議室)にて行います。お申し込みの方へ、後日専用の視聴ページをご案内致します。

▷ 申し込みはこちら

 

ー 堀越さんにとってオススメの本とかはありますか?

生きがいの創造

ダニエルキイス作 全般

宮部みゆき 全般

 

ー 堀越さんにとってのプロフェッショナルとはなんですか?

 

堀越 作業療法はアート、だと言われることがありますが、この言葉を私なりにアートという語源から解釈すると、生きる技術、という所に通じると考えています。 つまり、対象者にも、セラピストも生きる技術を高める必要がある。生き残る生命としての強さを持っているのは力を持っているものではない、変化する事ができるものだ。これは種の起源で有名なダーウィンの言葉です。

 

社会が大きく変化している中で、生きる技術は精神、生活、身体、社会面で大きく変化しています。その変化に対応できる柔軟性をもった作業療法士がプロフェッショナルなのでは無いかと感じています。しなやかに、強かに私たちひとりひとりがこの世界を生き切る事、それがプロフェッショナルなのでは無いでしょうか。

 

作業療法士の強みは"その人らしさ"の再獲得【堀越 啓仁】

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