理学療法士(PT)岡田瞳先生-人に認めてもらう方法-

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当たり前のことを当たり前にやる

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インタビュアー:クリニックのボスや同僚に認められた要因はなんだったんでしょうか?

岡田先生:はじめは、クリニック内で私だけ予約が埋まらない状況が続きました。逆の立場になって想像してみるとよく分かりますが、ケガをしたり手術をしたりして不安になりつつも、リハビリを頑張って競技復帰したいと意気込んだところに「担当です」と現れたのが片言で話す外国人療法士だったら、正直大丈夫かな?と思いますよね。

それを痛感する日々でした。しかしどれだけ勉強してもネイティブには敵わないし、実力派揃いの同僚たちとの能力差も簡単に埋められるものではないんです。ではどうしたらいいのか。

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結局、時間を厳守するとか、常に明るい笑顔でいるとか、誰よりも丁寧に施術するとか、別のところでしっかりやるしかないと思いました。

そうしていたら、徐々にクライアントさんが増えていったんです。最初はボスも心配していたみたいですね。特に最初の一週間は、この子はやっていけるのかな?って。

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カルテを書くのは遅いし、時間的な問題で計画書に記載する情報も少なかった。各競技団体や代表チーム、トレセンのスタッフなどから選手の情報を催促する電話がかかってきても、まともに対応できませんでしたし。

でも、焦らず気長に見ていたら、1週目と4週目の私の語学力が明らかに違ったみたいなんですよね。前向きに成長できる子のようだって、ボスは受け入れる覚悟を決めてくれたみたいです。

真面目に誠実に

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インタビュアー:どうやったら先生みたいになれますか?

岡田先生:本当にご縁やタイミングに恵まれながら、必要なときに必要な方々に出逢えたというのは、大きかったですね。感謝しかありません。

基本的にネガティブに考えるということはしませんが、後悔のないよう自分自身と向き合い、自分の決断に責任を持ち、支えて下さる方々に感謝しながら真面目に誠実にいることで、温かい手を差し伸べてもらえるんだなと思った瞬間は何度もあります。

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最初はドイツ語をコンプレックスに感じていましたし、悩んだ時期もありました。しかし地道に今できることに取り組んでいたら、少しずつ状況も変わっていきました。

クリニックで担当していた選手が、他の選手に私のことを紹介してくれたり、所属チームでのお仕事の話を持ちかけてくれたり、仕事の幅がどんどん広がっていったんです。

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気がついたら、代表レベルや国内トップリーグレベルにまで関わるようになっていて。 サッカーに関しても、ドイツではやはりNo.1のスポーツですし、もろに影響を受けてスタジアム観戦もよくするようになりました。

ブンデスリーガで活躍する日本人選手も急増しましたし、試合がある日は楽しみになりましたね。そうしていたら自然とサッカー界に引き寄せられるようになって、お仕事のメインにまでなってしまいました。色々なことがつながって、今の仕事に行き着いたという感じです。

積み重ね

lgf01a201311250900Photo:Vive La Palestina

インタビュアー:積み重ねが大切なのですね。

岡田先生:現在所属している株式会社アレナトーレとのご縁も偶然というか必然というか。日本開催のサッカーU20女子W杯の際に、FIFAのスタッフとして外国人に紛れてスタジアムで働いていた私を弊社社長が見てらっしゃって。

lgf01a201403070500Photo:Leo Hidalgo (@yompyHERE)

そして大会後、サッカー関連の雑誌で運営側のスタッフをインタビューするという企画で、私のことを思い出し人を介してコンタクトを取って下さったんです。

そのインタビューがきっかけで親しくさせていただくようになり、今にいたります。社長を筆頭に、志の高いスタッフばかりで、社員であることに誇りを感じています。

講習会情報

 

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【目次】

第一回:不安を感じる前に自ら動く姿勢を大切に

第二回:ドイツの教育システム

第三回:留学のお金事情

第四回:ドイツ理学療法士国家試験

第五回:44の医療機関を受けて43落とされた

第六回:人に認めてもらう方法

最終回:ドイツと日本でPT免許を取得

 

岡田瞳先生経歴

経歴:

1982年10月31日生まれ、茨城県出身。 筑波大学在学中に女子バスケットボール部に所属しながらスポーツ医学を専攻し、アスレチック=トレーナーの基礎を学ぶ。

卒業後は単身ドイツに渡り、フィジオセラピスト(理学療法士)の国家資格を取得。その後アスリートのコンディショニングに特化したスポーツクリニック『スポーツリハ=ベルリン』にてブンデスリーガやナショナルアスリートの治療、リハビリ、トレーニング指導に携り、同時に様々なブンデスリーガ加盟クラブの専属フィジオとしても活動。

2012年、約7年半のドイツ生活に終止符を打ち、2012 FIFA U-20女子ワールドカップをきっかけに帰国。同大会ではFIFAメディカルスタッフの一員として国際レフェリーのコンディショニングをサポートした。

2013年 厚生労働省より特例認定を受け、日本でも理学療法士の免許を付与される。

2014年、株式会社アレナトーレに入社し、さらに活動の幅を広げる。

2015年、医療法人社団SEASONS 自由が丘整形外科において非常勤理学療法士として勤務開始。

【所属】

株式会社アレナトーレ

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【資格】

理学療法士(ドイツ/日本)

国際スポーツ理学療法連盟公認スポーツフィジオセラピスト(ドイツ)

マニュアルセラピー(ドイツ)

医療徒手リンパドレナージ(ドイツ)

高等学校保険体育教員免許(日本)

赤十字救急法救急員(ドイツ/日本)

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