相良浩平先生-オランダのスポーツ分野で活躍する理学療法士(PT) -

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PTが開業権を持つことの意義

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POSTインタビュアー:卒業後、オランダでの専門分野はどのようにわかれているのでしょうか。

相良先生:マニュアル、スポーツ、小児、高齢者、産後(ペルビック)あたりが専門分野としてあります。

その中でもマニュアルセラピーや小児、産後に関しては算定も変わります。

オランダも不況ですので、開業していても潰れるところが出てきています。

ですので、最近はマスターまで進む方も多くなってきています。

POSTインタビュアー:本当に運動器に特化しているような印象ですね。特にスポーツ分野でお勤めになって、どうでしょうか?

相良先生:最初から最後まで診れると言うのは良いですね。予防から復帰までしっかり関われます。

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医師を介して来るわけではないので、怪我した選手にそのまま理学療法的診断して、プログラムを組んで、試合まで継続して診る流れです。責任は強いですが、ここまでしっかり診れると本当に楽しいですね。やりがいがあります。

理学療法士が開業権を持つ国でもダイレクトアクセスができる国とできない国があって、オランダはホームドクターを介さず介入ができるのは本当に良い点だと思います。

無駄な医療費を削減している側面もあります。

ワークシェアリングが主流

インタビュアー:責任の裏にやりがいは感じるものですね。予防から復帰まで広く診れるとのことですが、どのように療法士は患者から選ばれているのでしょうか?

相良先生:まず雇用形態ですが、オランダではワークシェアリングが発展しています。フルタイムで働いている療法士は少なくて、どこかの診療所とどこかのチームと掛け持ちしていることが多いです。

インタビュアー:そうなんですね。

相良先生:ですので、患者が来た時にすべての療法士がいるわけではありません。基本的な流れは診療所に来た時に受付で問診し、スポーツ種別は怪我した部位を聞きます。その時に対応できる療法士で特にスポーツ種別や障害部分別に分けられていたりします。

サッカーで怪我した子であれば、サッカー選手を良く担当する療法士が診るというのが基本です。オリンピックとか地域リーグとか選手のレベルで担当療法士が決まることはあまりないですね。経験年数が何年でも、誰でもどんな人でも診られるように教育を受けています。

また担当制ではありますが、他の理学療法士に診てもらうこともあります。インソールが必要であればインソールを専門にしている理学療法士に診てもらったり、サッカー選手を診ていて、膝に詳しい理学療法士に診てもらい、ディスカッションすることもあります。

(第三弾へ続く・・・)

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相良浩平先生経歴

経歴

2003年:筑波大学体育専門大学卒業

2008年:Thim van der Laan 卒業 フィジオセラピストのライセンス取得

2012年:Opleiding Master Manuele Therapie 卒業 マスターマニュアルセラピー取得

2004年~2009年:FCユトレヒト ユース トレーナー

2008年~現在:Sport Medisch Centrum Amsterdam

2010年~現在:V.V.Ijsselmeervogels フィジオセラピスト/コンディショニングコーチ

2011年~現在:オランダ空手ナショナルチーム 専属フィジオセラピスト

2013年~現在:World Football Academy サッカーのピリオダイゼーション講師

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