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PTから保育園の園長へ 医療現場に不足しているのは「遊び心」|岡本 悠佑

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マイペンライ精神

 

ー 岡本さんは現在会社を経営していますが、いつ頃から起業しようと思い始めたんですか?

 

岡本 起業は高校生の時から考えていましたね。もともと物理が好きで、姿勢制御とかを学びたかったのと、医療・介護分野はこれからビジネスとして成長性を感じたので理学療法士になろうと思いました。

 

ただ、資格を取ったのは2009年なのですが、理学療法士として働きたいと思えず、卒業して1年目はタイ古式マッサージを学びに留学してました。それは大学に通っているときにセラピストの現状の年収や成長性を文献とか読んで目の当たりにした時にモチベーションが下がってしまったからです。

 

それで、他の分野のこともインプットしたいというのもあって、東洋医学を勉強しにいった感じです。しかし、タイに行ったことは結果的に、僕の人生の価値観に大きく影響を与えてくれました。

 

向こうの言葉で「マイペンライ精神」という言葉があります。”なんとかなるよ””細かいことは気にしない”という意味です。タイへの滞在中、貧しくてもマイペンライ精神で本当に笑顔で生きている人にたくさん出会いました。

 

それまでの僕は、とにかくお金を稼ぐことが大事だと思っていたのですが、それ以外の価値観やいろんな幸せの形があると知ることができました。それで、自分が一度は志した理学療法で人に関わってみようと思ったのが、帰国して理学療法士の道に戻った経緯になります。

 

保育園の園長になった理由は?

 

ー それで今は保育園(宝塚いろのま園)の園長としても働いているそうですが、それはどういった流れでそうなったのでしょうか?

 

岡本 病院で働いている時にグロービスの経営大学院に通ったのですが、その時にできたご縁でお話をいただいたんです。

 

大学院の同級生としてポラリスデイサービスの森社長と出会った時、シングルマザーのシェアハウスを作りたいという話をされていました。

 

今私が関わっている施設は、シングルマザーの自立を支援するための施設というコンセプトで建物の1階部分が保育園とデイサービス、2階がポラリスの本社、3階がシングルマザーのシェアハウスという形をとっています。お母さんたちが子どもをすぐ預けて働けにいける環境を作ることで、精神的にも経済的にも安心して生活し、子どもたちに愛情を注げるようにすることで貧困の連鎖を断ち切ることができると考えているんです。

 

ただポラリスとしても保育事業はやったことがなくて、幼児教育に携わりたいという想いがあるなら一緒にやろうと声をかけてくださり、引き受けたという流れになります。

 

ー 全く別業種の仕事ですが、それでも引き受けようと思ったのはすごいですね。

 

岡本 価値観やその人の心の根っこになる部分が形成される原点が幼児教育にあると思ったので、やりたいと思ったんですよ。

 

もともと病院にいた時から、新卒育成やマネージャー研修とか、ずっと人の行動変容や成長に関わってきて、グロービスに通ったのも医療の人材育成の基盤を作っていきたいという思いだったんです。でも大学院の中で「お前の志はなんだ」「お前は何を大切に働きたいんだ」と問いかけられ、多様な業種の素晴らしい方々と対話する中で、自分が医療者であることにこだわらなくてもいいと気づきました。

 

自分は、人の価値観がどのように形成されていくか、どうすれば人は自分らしさを表現して生きていけるかに関心があると気づいたんです。それだったらもっと人の成長を支援するという意味で、教育に特化して関われる仕事の方がいいんじゃないかと思いました。

 

遊びながら学ぶ

 

ー 子どもの教育に携わっている立場から、医療職の教育について何か思うことってありますか?

 

岡本 子どもは「遊びながら学ぶ」のがベースとしてあります。僕たちも子どもの頃は、遊ぶ体験を通して、チャレンジして成功したり、失敗したりしながら、色々と学んできたはずです。それでも、大人になると失敗を怖がるし、周囲も失敗させないように頑張ろうとしますよね。

 

結局、体験をデザインすることでしか教育はできないと思っているので、どんな体験をさせるかについてもっと向き合って考えていくべきだと思います。

 

そして医療現場には今、遊び心が不足していると思っています。カラバリューカードのコンセプトは「誰でも気軽に”楽しく”価値観と触れ合う。」です。

 

株式会社Color Variation(略称:カラバリ)では医療系の方にももっと楽しく学べる・楽しく自分と向き合える機会を提供したいと思ってカードゲームを設計したりワークショップ型の企業研修を提供したりしています。

 

また、2019年から「リハマネジャーの学びコミュニティ M Lab.」という団体を立ち上げて毎月マネジャー育成のワークショップをやっているんですがそこもコンセプトは「POP&LOGIC(楽しく真面目に)」なんです。

 

もっと医療者の学びは楽しくなる。そうすればもっとワクワク働けるマネジャーセラピストが増えると信じているのでそんな場を創っています。

 

ー 確かに、自分の大切のこととか、価値観を話したりするのって、なかなか話す機会もないですし、話しにくい部分もあるので、こういった楽しみながら話せるワークショップはいいかもしれませんね。

 

岡本 これだけセラピスト人口が増えていて、価値観の多様性が出てくるのは当たり前ですよね。なのに新卒だけでなく中堅層でも自分がなにを大切に仕事をしているのかを自己認識できていない方がいらっしゃるように思います。

 

20代、30代のマネジャー世代が「自分と他者では価値観が違う」と気づかずに自分たちの価値観に固執しすぎると、これからの世代は絶対育たなくなってしまいます。

 

さらには、基本医療・介護は他職種連携チームで動くことになるので、職種間でもお互いの価値観を擦り合わせる必要が出てきます。

 

昔は飲み会で、そういったコミュニケーションも行われてきたのですが、今はなかなか難しいじゃないですか。なので、”対話の時間”って意図的に設定しないとチームビルディングが厳しい。業務的なやりとりだけじゃなく、ちゃんと腹を割って話しあう仕組みを作りたいと思い、カラバリューカードを作ったというのもあります。

 

カラバリューカードで実現したいのはまずは自分がなにを大切に仕事をするのかという価値観の軸を持った上で、お互いの価値観の違いを理解しあうことによって、チームの心理的安全性を高め、本音でモノを言い合える関係性を作ることなんです。

 

個人と個人はもちろん個人と組織の間でも、お互いの価値観を大切にしていくと、もっとチームとしてのまとまりが出てきて、組織としての成長を実現できると考えています。

 

 

岡本先生によるワークショップを開催します。

組織をONE TEAMに変える!カードゲームを用いたチーム開発プラクティス

組織の中では様々な人がそれぞれ多様な考え方・想い・価値観を持って働いており、時代の変化とともに多様化の傾向は進む一方です。

 

そんな中で近年注目されているのが「エンゲージメント」です。

 

エンゲージメントとは「スタッフ一人ひとりが企業の理念や戦略を理解し、主体的に自分の力を発揮する貢献意欲」を指しており、エンゲージメントが高い会社は離職率の軽減はもちろん業績も向上する指標として注目されています。

 

つまり「一人ひとり違う価値観や能力を持ったチームメンバーが一つの目的に向かって主体的に行動できる環境を作る」ことこそが、現在マネジメントとして求められているのです。

 

今回はワークツールとして自社開発した「カラバリューカードゲーム」を活用した対話を通じた互いの価値観を知るミニワークも体験していただきながら、組織のエンゲージメントを高める方法をお伝えしていきます。

 

スタッフ一人ひとりが自分らしさを生かしてワクワク働ける環境づくりに関心のある方、必見です!

 

<ワークショップ概要>

【日時】2月15日(土) 19:30~21:30

【定員】24名

【会場】赤坂駅徒歩3分 貸し会議室

東京都港区赤坂2-16-6赤坂TKビル3F 302号室

【参加費]:4,400円/人 (プレミアム・アカデミア会員は無料)

お申し込みは以下のフォームから

▶︎ https://ssl.form-mailer.jp/fms/89057f3b647693

 

PTから保育園の園長へ 医療現場に不足しているのは「遊び心」|岡本 悠佑

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