心理的ストレス下では、将来の予測や食欲制御に関わっている「前頭葉」の脳活動に大きな変化ー。
大阪市立大学大学院医学研究科の吉川 貴仁教授、石井聡病院講師らの研究グループは、心理的ストレスが原因となって食欲に変化が生じる脳神経メカニズムを明らかにした。
▶︎ https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2019/200123
これまでに心理的ストレスと「食べる量の増減」に関する報告はありましたが、「あー、食べたい」という食欲(欲求)の自覚度合いとの関係は明らかにされていなかった。
本研究グループは、試験やプレゼンなどの心理的負担がかかるイベントを目前に控えたストレスフルな状況下における食欲の変化と、それに伴う脳活動を脳磁図法を用いて測定。
その結果、試験や人前でのプレゼンなどの心理的負担がかかるイベントを目前にした状況下では、空腹状態であっても食欲が抑えられ、また、将来の予期や食欲制御を行う「前頭葉」の活動にも変化が見受けられた。
本研究結果から、将来の心理的負担を予期することで活性化した前頭葉の働きが食欲を低下させる可能性が高いことが明らかになった。科学雑誌『PLOS ONE』にオンライン掲載されている。