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まずは基礎。最初から偏らないほうがいい【田舎中真由美先生】

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子育てと仕事の両立

 

ー 子育てしながら仕事というのはどうですか?

 

田舎中先生 大変。私の同級生も、すぐ結婚して辞めちゃったか、ずーっと結婚もしないで突っ走っているかという感じが多いよね。両立しながらというのは結構大変だけど、家の中が大変なことになっていたとしてもしょうがないと見なかったことにしようとか考えています。

 

ー 例えば働きだったら、極端な話にはなりますが家事代行サービスとか使えばいいのではないですか?

 

田舎中先生 そんなお金の余裕はないですよ。送り迎えとかで時間にも追われるし、帰って自分のことが出来る時間が凄い少なくなりました。自由に文献を読んだりできた時間が、子供の宿題を見なきゃいけない時間に追われてしまったり。

 

塾に連れて行くとか、ピアノに連れて行くとかそういうのが入ってくると、時間の配分が、合間にやるしかなくなってくる。あとは寝た頃に起きてやるとかですかね。

 

ー 有名になられている先生方は、未婚だったり、子供がいなかったりする方が多いと思うのですが、田舎中先生のように子供もいて、両立してやられているのは、どうやっているのかなととても興味があります。

 

田舎中先生 凄い整理はするようになりましたよ。まず4月に子供たちと行事予定表をみて、ここだったら講師依頼を受けてもいいかなと考えたりします。

 

あまり毎週毎週空けられないし。抑えながらも、ここだけは絶対やりたいというものは軸に置いておいて、この辺はいいかなと思うことは見なかったことにするとか。家事はだいぶ省いていて、ごめんなさいって感じなんですけどね。

 

全部完璧にというのは無理だし、子供が産まれる前と同じように活動しようと思うと自分にもストレスが来て、みんなにもストレスが行ってしまう。ある程度は抑えつつ、バランス良くやれればいいなと思っています。アップアップなんですけどね。

 

でも「そういうのも出来なくないんだよ。」というのは自分を通して知ってもらえたらいいかなと思います。

 

文京大学の授業の時とかも、「あまり続けて出来る仕事じゃないんじゃないか?」と思っている学生さんも多いから、その辺を言ってほしいと学校側から言われることもありますね。

 

ー 続けている人は少ないですよね?

 

田舎中先生 外の研修会や学会に出てくる人も少なくなっちゃいますよね。海外だと女性がすごく多いのに、日本だとどちらかと言うと男性職場みたいな所が多いですよね。だから女性は働きにくい部分はあるのかなと思うんだけど。その辺ももうちょっと協会とかも頑張ってほしいですね。

 

最初から偏らないほうがいい

ー 今の女性の学生は、女性分野をやりたいと考えている学生さんが多いですか?

 

田舎中先生 そうやって夢を持っているのは凄い良いなと思うんだけど、最初からというわけではなくて、もう少し全体の身体を見れるようになってからと思ってもらえるとより良いかなと思います。自分自身も妊娠・出産を経験したから、それを通してみんなにもアピールが出来たらなと思いますね。

 

最初から女性医学だけとなってしまうと見えなくなってしまうこともあると思います。どちらかと言うと、全身の中の一部。ウィメンズヘルスと言っても、身体なので。全部見れるようになって、その後フォーカスしていくという風になってもらえるといいかなと思います。

 

ー 先生は最初は、病院に勤めてから、女性医学の分野に行った方がいいと?

 

田舎中先生 その方が理想かな。偏り過ぎても行けないと思いますし。

 

ー 今も偏っていらっしゃいませんもんね。

 

田舎中先生 見方は同じなんですけどね。基本さえ出来ていれば、どこの分野でも行けると思います。あとはもう少し専門的に入っていくのなら、最初はしっかりベースを身につけて、動き方を見れるようになって、専門分野に入ってきてもらえたらいいのではないかと思います。

 

でも興味を持ってもらえる人が増えたのは凄く良いことかなと思いますし。前は、全国研修会で骨盤底の話をしたときに、質問に来るのは男の子が多かったですからね。

 

ある程度身体を見れるなと自分で思ったら、どんどん上に働きかけていくしか道は開けない。私も待っていて、今こうしているわけではないし。

 

自分で働きかけないと、自分自身も動いて環境を作っていくことが必要。でもなかなか難しいということもあると思うので、勉強や研修、トレーニングが出来る場を作れればいいなぁとは思っているんですけどね。

 

まずは"基礎"を身につける

ー 学生さんや、新人療法士さんには、女性分野にすぐに行くというよりはきちんと基礎を作ることが必要ということですね。他にはどのようなことをしたら良いでしょうか?

 

田舎中先生 まずは基礎。動き方とかは絶対だと思います。特に私が行っている所だと、身体の使い方も教えるのね。抱っこの仕方や授乳の仕方を見ると、そういうところから問題点が来ていることもある。日頃どういう風に子育てをしているかも問題になることもあるので、そこからどう評価していくかと考えていくこともあります。

 

なので、実際に来て、お話をして、実際の動作をしてもらったりするんですが、良いのか悪いのかは動作を知らないとわからないと思います。産後のお母さんに限ったことじゃなくてもいいので、正しい動作とはどういうものなのか、基本の解剖もそうだが、よく言われるように痛みが出る部位だけを見るのではなくて、動きとかを変えてあげられるように、基本的な動作、正しい動作とは何か。

 

間違った動作だとどうなってしまうのかを考えられるようになれればいいんじゃないですかね。そういうことが凄く重要なのではないかと思っています。

 

この前も、「凄い腰が痛い」と言って来た人がいたんですが、「どうやっておっぱいをあげているんですか?」と聞いたらとても辛い姿勢であげていました。それはだめでしょと。本当にちょっとしたことだったり、私たち療法士が普通に思っていることでも、クライアントはまったく考えないし、これはいけないということがわからないんですよね。

 

ー 授乳で体の調子が悪くなる方も多いですもんね。

田舎中先生 立ちしゃがみの動作で間違っているのはどうなのかなど、本当に”基本”だと思います。ベースはみんな一緒だと思いますね。

 

ー 最後に、先生の今後の展望や、学生さん・若手療法士にメッセージなどをお願いします。

 

田舎中先生 まず、個人としては、さっきも話しましたが、産前産後のお母さんのところに理学療法士が介入して効果があるということをしっかり言っていきたいですね。

 

効果を他の職種に知ってもらえるように活動していきたいということと、介入の方法をPTの若い子たちと一緒に出来たらいいかなと思うし、見方とか評価の仕方のトレーニングが出来る場を作っていきたいと思っています。

 

そういう場がないというのは事実だと思うし、さらには一般の人にもっと知ってもらえるような活動はしたいなと思っています。PT協会の中でというのもそうだし、他の職種にも、一般市民の方々にももっと知ってもらいたい。そして、どうしたらいいのかわからないと思っている方が多いと思うので、そういうところにしっかり介入していきたいと思っています。

 

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【東京開催】2018年11月11日 ウーマンズヘルスケアフォーラム2018

《概要》

日時:2018年11月11日(日) 10:00〜18:30

年々、需要が増しているウーマンズヘルスケア。
過去数回に渡って行っているこのフォーラムも、お陰様で年々参加者が増えていき、その関心の高さが伺えます。
我々セラピストもこの流れに合わせて最新の情報や技術を獲得していく必要に迫られています。
今年は講師陣の数も増え、昨年よりも更に充実した内容となっております。
今回は理学療法に加え、泌尿器科の医師やアロマセラピーの専門家の方にも講演していただきます。
様々な領域の女性医学を広く、深く学べる数少ないチャンスです。
前回参加された方も、更に満足できる内容となっていますので、ぜひ、ご参加ください!



【大会概要】

【日時】2018年11月11日(日) 10:00〜18:30
【会場】浅草橋ヒューリックホール
※総武線「浅草橋駅(西口)」より徒歩1分
※都営浅草線「浅草橋駅(A3出口)」より徒歩2分
【対象】療法士、看護師、助産師、その他セラピストなど
【定員】500名
注:託児所はありません

田舎中真由美先生経歴

平成7年 信州大学医療技術短期大学部理学療法学科卒業

平成12年 保健衛生学士取得 

<資格>

理学療法士・保健衛生学士・介護予防主任運動指導士・心臓リハビリテーション指導士  

<所属>インターリハ株式会社 フィジオセンター事業部

<職歴>

平成7年4月熱川温泉病院就職・平成10年9月米国にて尿失禁の理学療法の研修受講・10月~3月熱川温泉病院退職(非常勤勤務)・10月~3月信州大学医療技術短期大学部理学療法学科非常勤研究員・平成11年4月インターリハ株式会社就職

<執筆> 

1. アメリカにおける尿失禁プロジェクト:Carol Morodomi・他,田舎中真由美・藤原孝之訳.理学療法,16(4),261-265,1999.

 

2. 尿失禁の理学療法‐米国における尿失禁プロジェクトの紹介‐:田舎中真由美・藤原孝之.理学療法,16(8),640-645,1999.

3. いわゆる筋肉痛(筋原性疼痛)に対する電気刺激療法:田舎中真由美・藤原孝之.理学療法,18(5),507-512,2001.  

4. スリングエクササイズセラピーの理論と実際Ⅰ:田舎中真由美・山本泰三.理療,32(2),68-79,2002

5. スリングエクササイズセラピーの理論と実際Ⅱ:田舎中真由美・山本泰三.理療,32(4),52-60,2002 

6. 排泄障害の検査・測定,理学療法:田舎中真由美.20(1),181-188,2003

7. 企業内研究の仕事,理学療法士プロフェッショナル・ガイド. 田舎中真由美.細田多穂,半田健壽ら編集,文光堂,230-232,2003 

8. 医療機関のリハビリテーション戦略:田舎中真由美,イニシア,2003

9. 診療所のリハビリテーション戦略:田舎中真由美,イニシア,2003

10. 泌尿器系障害に対する理学療法:田舎中真由美,理学療法,21(6),2004

11. 尿失禁がある人への評価と運動療法:田舎中真由美,秋季号,No55,2004 

12. 尿失禁予防のためのトレーニング2008:田舎中真由美,月間デイ

13. 骨盤底筋群機能障害に対する評価とアプローチ:田舎中真由美,理学療法学,vol35,No4,212-215,2008.

14. 腹圧性尿失禁に対するコアスタビリティートレーニング:田舎中真由美.理学療法,vol26,No,10,2009.

15. 高齢者に対しての考え方 臨床上で心がけていること:田舎中真由美.理学療法MOOK10 高齢者の理学療法 第2版;森本榮編集,三輪書店,2011 

16. 排尿障害:腹圧性尿失禁に対する運動療法-骨盤底筋群へのアプローチ-;田舎中真由美,運動療法学,柳澤健 編集,金原出版,289-294,2011

17. 骨盤臓器下垂・脱に対する理学療法:田舎中真由美,理学療法ジャーナル,vol47,No.10,2013.

<教育・学術活動> 平成17・18・20・21・23年度日本理学療法士協会主催介護予防研修会(失禁予防特論講師)/ 文京学院大学にて選択科目:ウィメンズヘルス非常勤講師          

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