身体の使い方でメンタルも変わる
ー 女性分野に興味を持ったきっかけは?
佐藤先生:最初は急性期で働いていたので、手術後の方などを多く診ていたのですが、その時に女性の方で月経周期に合わせて、炎症症状が変化したりOPE後の浮腫や痛みが違ったりする方がいたんです。その時に、女性だからこそ起こる症状だと思い性差を考えるようになりました。他にも、妊娠中に骨折してしまいその後帝王切開でお子さんを産んでから手術した方がいたんですが、当時は女性へのケアの仕方が正直全然わからなくて。それから勉強していく必要があると思いましたし、したいなと思うようになりました。
理学療法士って主に身体を扱う仕事なので、友達にも相談されることがありますよね。生理痛がひどい子も多くいて、そういう時に何かできたらな、と思ったのもきっかけのひとつですね。
先天性股関節脱臼で小さい頃から手術を繰り返している小・中学生の女の子を診ていた時も、ホルモン周期に合わせた介入の仕方も出来たんじゃないかと今では思っています。
男女の性差を考えてアプローチをすることってあまり多くはないと思いますが、やはり男女での違いはありますし、それを基礎知識として持っていればより良い生活の指導やアドバイスができるなと思っています。
ー 生理痛とかPMSって症状が体に多く出る人もいればメンタルの部分に出たりしますよね。
佐藤先生:そうですね。私も体験としてあるので分かります。私の場合、以前は結構気分が落ち込みやすかったりしましたね。ただ、それも身体を整えていったら良くなってきて、身体の使い方でメンタルも変わるということを身を持って感じました。気分が落ち込んでいる方などは姿勢から見てもわかる部分もあると思うんですが、そんなときに話を聞くということはもちろん大事だと思いますが、姿勢からアプローチしていくと良かったりもしますね。
無理に話を聞いてというよりは、身体を動かしながら徐々に話をしたり。そうすると笑顔が少しずつ増えていったりして。そういうことを考えたりしていますね。
子宮が収縮していると血流も低下し、胎児への酸素供給量も下がる
佐藤先生:女性を診ていく上でイライラしていたりストレスを抱えている人ってあんまり深く呼吸していなかったりするじゃないですか。もちろん自律神経の問題もありますし、妊娠・出産に伴って横隔膜や胸郭の動きも変わります。
陣痛の間は、子宮がずっと収縮している状態ですよね。ずっと収縮していると、当然血流も減少して胎児への酸素も行きづらくなります。陣痛なので子宮の収縮というは必要なことですが、呼吸法によって子宮や腹部などを緩ませることも大切だと思います。陣痛間歇時にもどれだけ酸素を十分に補充できるかとかもですね。
妊娠中って胎児が酸素を得るのはお母さんのへその緒からだけじゃないですが。お母さん自体が酸素をちゃんと取り入れられていないと、胎児にもいきません。酸素がないと出産時のエネルギーにも代え枯れないし、胎児の成長にも影響を与えてしまいます。出産前に呼吸の練習をして、出産の準備をするといることは大事だなと思います。
産後だと骨盤底筋群などが損傷されているので、それを修復するにも酸素が必要で、血流が必要です。傷の治りが遅い人などに対する高圧酸素療法っているのが病院で行われているくらい、酸素は傷の治癒に必要です。
呼吸が上手く行えることで治癒力は変わると思いますし、呼吸法なので寝る前などの少しの時間でも出来るじゃないですか。簡単なのでいいのかって思います。
もちろん呼吸がすべてではないですけど、そういう視点もあるんだなと、頭の中に入っていると良いんじゃないかなと思います。ただ、呼吸って誰だってしていますし、楽にできた方が良いですよね。
佐藤先生が大会長を務めるウーマンズヘルスケアフォーラムのお知らせ
【東京開催】2017年10月15日 ウーマンズヘルスケアフォーラム2017
《概要》
日時:2017年10月15日(日)10:00~17:00
料金: 12,960円(税込)
会場: 浅草ヒューリックホール(総武線「浅草橋駅(西口)」より徒歩1分)
定員:500名
今年は福岡でも開催します!!
【福岡開催】2017年11月26日 ウーマンズヘルスケアフォーラム2017
《概要》
日時:2017年11月26日(日) 9:00~17:00
料金:
プレミアム席→¥18,800
A席→¥16,800
B席→¥14,800
※全て税込みの値段です。
会場: 南近代ビル(JR「博多駅」よりバスで5分)
定員:350名