呼吸障害を捉えることが困難であった進行した球麻痺や気管切開している患者の肺や胸郭の柔軟性を評価することができるようになったー。
今月、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院の理学療法寄本恵輔らが、LIC TRAINERⓇ を臨床で使用し、筋萎縮性側索硬化症患者(ALS) に対する呼吸療法として強制的な深呼吸(Lung Insufflation Capacity)を測定する新しい肺容量リクルートメント(Lung Volume Recruitment: LVR)機器について発表した。
▶︎ https://www.ncnp.go.jp/topics/2020/20200528.html
ALSの呼吸障害は拘束性換気障害を呈することで肺・胸郭の柔軟性が低下し、低換気に伴い高二酸化炭素血症となるため人工呼吸療法での対応が必要である。
しかし、球麻痺症状が加わると気道クリアランスが悪化し、人工呼吸療法が継続できない要因になります。また、これまで気管切開をしてしまうと肺・胸郭の柔軟性評価は行うことが困難であった。
LIC TRAINERⓇは、従来、研究機関で使用されていたLICを改良。①加圧時にリークしないよう高密閉性を付加、②高圧がかかった圧を解除する安全弁を装備し、安全性を確保、③ALS患者さんが自分で自発呼気弁をリークすることを可能にした。
今回、ALS患者20名に対してLIC TRAINERⓇを使用して、LICの測定の有用性を検証。 LIC TRAINERⓇを使用することで、LIC測定を簡単に実行できるようになり、ALS患者さんで呼吸療法を実行するための有用なデバイスである可能性が示唆された。また、ALS患者さんはMICよりLICを測定することの方が肺や胸郭の柔軟性を維持拡大することの効果が大きいことも示唆された。
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