介護保険サービスの対象となる「生活機能」の低下した高齢者に対しては、単に運動機能や栄養状態といった身体機能の改善だけを目指すのではなく、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけていき、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能とすることが重要ー。
今月29日、厚生労働省による「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」第4回が開かれ、要介護(支援)者を対象とした介護保険で実施する生活期リハの構築に関する手引き案が示された。
▶︎ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12056.html
この手引きは、地域が目指すべきリハビリテーションサービス提供体制の構築に向けて、データを活用して地域の実態や課題を分析し、構築方針を明確化するための一連のプロセスを示すもので、検討会にはPTOTST協会各会長らも参加している。
地域のリハビリテーションサービス提供体制は、リハビリテーション指標等を活用して、ストラクチャー(施設や事業所の物的・人的な資源など)・プロセス(介護サービス提供施設や居宅介護支援事業所との連携活動)・アウトカム(高齢者や要介護あるいは要支援認定者の状態や変化)の観点から多角的に把握・評価することを推奨している。
リハビリテーションサービス提供体制に係る事業計画の作成および作成後の進捗管理のプロセスに関しては、以下の図の流れを示し、PDCAサイクルを回すことを強調している。
リハビリテーション指標は、8月に地域包括ケア「見える化」システムの現状分析機能の指標として掲載される予定である。地域包括ケア「見える化」システムでは、リハビリテーション指標以外にも、介護保険に関連する情報をはじめ、地域包括ケアシステムの構築に関する様々な情報が本シ ステムに一元化され、かつグラフ等を用いた見やすい形で提供されている。