本書は、ボツリヌス療法において的確な筋同定や正しい施注は極めて重要な要素となってきます。豊富な画像を用いながら、いかにしてより効果的な痙縮治療に結び付けられるかを解説。
さらには治療戦略、リハビリテーション指導、評価方法、EBMなど最新の知見と実践での経験も詰め込んだ充実の内容で構成されています。
セラピストの方々に向けては、慈恵医大における痙縮治療(ボツリヌス療法)においてどのようなリハビリテーション指導が行われているのか、あるいは痙縮の評価(ARAT/FMA)がどのように行われどういった治療戦略が立てられているのか参考にして頂けるかと思われます。
そもそもボツリヌス療法って何?
ざっと説明してしまうと、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、痙縮(→痙縮がわからない人は下にあるインスタグラムの投稿で復習しましょう)の改善を図る治療法です。
では、ボツリヌス菌ってどんな菌かというと食中毒の原因菌で知られる菌のことです。「えー⁉︎副作用で菌に感染しないの?」と思うかもしれませんが、菌を注射するわけではないので感染しません。あくまでも、ボツリヌストキシンというタンパク質を筋肉内注射します。
ちなみに、美容整形で使われるボトックス注射というシワ取りの注射も同じ注射です。
注射の参考書読む意味ある?
当然の疑問ですね。一足先に内容を確認させていただきましたが、注射の方法だったり筋肉の部位が記載されてはいますが、当然注射だけでリハビリが完了するわけではありません。
本書はここがポイントで、注射後にどのようなリハビリテーションを行えばいいのか、筋肉ごとにエコー画像と合わせて学べる点が他にはない特徴です。
書籍に含まれる特典映像
ボツリヌス療法を行なっていない場合であっても、脳血管疾患を担当する療法士であれば学びの多い書籍ではないでしょうか。
【主要目次】
序文
執筆者一覧
本書の使い方
◆第1章 上肢ボツリヌス療法とは?◆
痙縮とは
ボツリヌス療法の上肢痙縮に対する戦略的治療
エコーの基本
◆第2章 関節ごとの施注例◆
1.肩関節の痙縮
2.肘関節の痙縮
3.前腕の痙縮
4.手関節の痙縮
5.手指の痙縮
◆第3章 各筋への施注のポイント◆
1.大胸筋
2.広背筋
3.僧帽筋
4.大円筋
5.小円筋
6.肩甲下筋
7.上腕筋
8.上腕二頭筋
9.上腕三頭筋
10. 腕橈骨筋
11. 円回内筋
12. 橈側手根屈筋
13. 長掌筋
14. 尺側手根屈筋
15. 浅指屈筋
16. 深指屈筋
17. 長母指屈筋
18. 短母指屈筋
19. 母指内転筋
20. 虫様筋
◆第4章 EBMと評価方法◆
EBM
ARAT/FMA-UE
ARAT/FMA-UE数値から読み取れること
索引