POSTの「S」はSTの「S」
POSTの「S」はST(言語聴覚士)のSってご存知でしたか?
これまでPOSTでは、合計140名もの先生方のインタビューを配信してきましたが、STに関しての配信は非常に少ない状態でした。
そのような状況下で、POSTとしては今後STとしてご活躍の先生方へのインタビューをより一層強化していく予定でおります。
その第一弾として、失語症や聴覚障害、嚥下障害などの症状、国家試験や研修会の勉強情報など、さまざまな言語聴覚士に必要な情報を一挙にまとめたサイト『言語聴覚士リハビリ情報サイト STナビ』を運営されている宮崎関大先生をご紹介します。本日は、その宮崎先生からのメッセージを配信します。
今後益々ニーズが広がることが期待されるSTの活躍がより広く認知されるように、POSTとしてもより一層頑張っていく所存です。「ST認知度向上」の先にあるもの
皆さん、はじめまして。私は言語聴覚士の宮崎関大と申します。以後、お見知り置きください。
言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist(ST))とは、疾患が原因で上手く話せない・話を理解できない、耳が聞こえにくい・はっきり聞こえない、飲み込みが上手にできない等の「言葉・聞こえ・飲み込み」に問題を抱えている方を対象としてリハビリテーションを行う医療職です。
私はそのなかでも「聞こえ」に問題を抱えている方を対象として耳鼻咽喉科で働いています。そこでは、様々な問題に対応できるよう種々の聴力検査を行い、患者に合わせて発話訓練や聞き取り訓練を行ったり、補聴器のフィッティングをしたりといった業務を行っております。
また、地域の手話サークルにも参加し、手話に興味のある相談者にはアフターフォローとして一緒に手話サークルに参加したりしています(手話サークルはほとんど私の趣味ですが(笑))。「言葉」の領域には失語症や構音障害、言語発達遅滞、音声障害、吃音等。「飲み込み」の領域には嚥下障害、摂食障害があります。その他にもコミュニケーションに困難を抱えている高次脳機能障害や発達の問題である自閉症等も言語聴覚士の専門領域です。
所属も病院や診療所だけでなく、老人健康保健施設、保健センター、特別支援学校、障害福祉センターなど多岐に渡ります。このように言語聴覚士は様々な所属や領域で活躍しています。
言語聴覚士が国家資格と認められたのは1997年です。法制定からまだまだ日も浅く、有資格者の人数も少ない現状から、言語聴覚療法が必要な方々へリハビリテーションが行き届いているとは言えません。
新しく言語聴覚療法を始めようと考えている病院も少なくなく、病院によっては、複数の領域を1人の言語聴覚士が担うことになり、十分なリハビリテーションが実施できているとは言えない状況もあります。 現在、私は普段は耳鼻咽喉科で勤務していながら、プライベートの時間に「言語聴覚士リハビリ情報サイト:STナビ」という名称のホームページを運営しております。また、現代の医療は医療者側が一方的に医療を提供するのではなく、患者側との話し合いを大事にしています。理解と納得のない医療は成り立ちません。そのため、適切な医療情報を発信し、インターネットを利用することで難しい用語もすぐに知ることのできるようなページ作りを心掛けています。
これまでインターネットはあまり触ったことがなかったため、四苦八苦の運営でしたが、多くの方に支えられながら順調にアクセス数も増加し、ホームページを見てくださった方からお声をかけていただけることも多くなってきました。
この度POST様で記事を書かせていただいているのもホームページ経由でお声をかけていただいたことから実現した次第です。
言語聴覚士とホームページ管理の二足の草鞋ではありますが、真摯に業務を行うつもりですので今後もどうぞよろしくお願いいたします。宮崎関大先生
言語聴覚士。大学卒業後、耳鼻咽喉科に勤務し、難聴、吃音、構音障害等の聴覚・言語・コミュニケーションに困難を抱えている方のサポートを行っている。また、患者団体や家族会と連携しイベントや講演等もこなす。2013年から言語聴覚療法の情報をまとめた「言語聴覚士リハビリ情報サイトSTナビ」を運営し、言語聴覚士の認知度向上とともに、患者様やご家族の方への適切な医療情報の発信に努めている。