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島田周輔先生-元Jリーガー理学療法士(PT)が語るサッカー現場の「実情」-

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「いいトレーナーいない?」と聞かれるけど・・

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インタビュアー:先生が若手の頃に、影響を受けた選手や何か出来事ってありますか??

島田先生:たくさんあるからどれ話していいかわからないなあ(笑)

プロスポーツ選手が膝が痛くて来院して、確か腸脛靭帯炎だったかな。その後調子よかったんだけど、本番と同じ動きをしたらまた痛みが再燃してしまったんです。その時の選手の表情はすごく暗くて、とても考えさせられたのを覚えています。

調子がいいからそのままの治療メニューやプランでいいと思っていると、落とし穴があるかもしれない。調子がいい時でも身体機能と運動強度などをしっかり評価、判断しなければいけないと感じましたね。当たり前のことですが、選手は全力で復帰したいと思っているのに、僕らが中途半端ではいけないと思いました。

インタビュアー:サッカー現場って今トレーナーって足りてるんですか?けっこう人気ありそうですけど。

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島田先生:アマチュアの現場では足りてないですね。アマチュアチームは活動時間に見合った報酬が得られるわけではないので、わざわざやりたがらない。

一方で現場的には、トレーナーを雇う十分なお金がないしトレーナーの情報自体を知らないっていう声も多いです。よく「いいトレーナーいない??」っていう声が上がってきます。

でも、なかなかその思いに応えることができるトレーナーが少ないっていうのが事実ですね。結局、プロとして活動するトレーナーでない限り、自分の時間を使ってグランドにいかなくちゃならないですからね。

インタビュアー:島田先生の現在の院外でのスポーツとの関わりを教えてください。

島田先生:神奈川県サッカー協会で、医科学部会の会議で医者と連携取って話し合ったり、トレーナー担当部会の代表もやっています。

このトレーナー担当部会っていうのは、神奈川県のサッカー選抜活動や海外遠征に帯同したりしています。あとは、指導者講習会の指導者としてストレッチやウォーミングアップを教えたりします。スポットでの講習会もします。メディカルチェックなんかもしますね。

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肩書きだけのPT

島田先生:今、一番やりたいのはグラウンドや病院で困ってる選手に関わり続けたい!!ということになるんですが、研究もしなくちゃいけないと感じています。

例えば、今行っている活動としてサッカーをしている中学生ゴールキーパー100人を対象に身体的データやパフォーマンスのデータを取っています。障害の調査をしたり、今後この中でいい選手が出たりすれば、「この選手はこういった風に推移していった」というのも言えるようになると思います。

あくまで理学療法士だから、理学療法的な視点を臨床や現場に落とし込むためにどうすればいいのかって考えますね。スポーツ現場には理学療法士の他に、柔道整復師さん、鍼灸師さん、アスレティックトレーナーなどがいます。

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その人の職種はどうでもよくて、よい指導やアプローチが出来るかどうかが重要になってきます。

でも、自分は理学療法士なので理学療法の土台をしっかりさせた上で選手とのより良い関わり方を探究する。そういったところに面白さを感じます。肩書きだけのPTっていうのはだめですね。

インタビュアー:スポーツ分野で働きたい学生さんや理学療法士に向けてメッセージをお願いします。

島田先生:チームやグラウンドでしか味わえない喜びがあります。チームや選手が成長するために私達がいるわけですが、もし試合で良い結果がでなくても、チームの一員として自分が認められ一丸となって勝負ができたという経験はすごく有意義だと思います。そういったところは病院やクリニックの中だけではではまず味わえないところです。その雰囲気や緊張感が楽しいと思え、理学療法士として、人として成長するための糧にできるかどうかが大事だと思います。

インタビュアー:なるほど。やりがいを感じられるかどうかということですね。ありがとうございました。


>>バックナンバー:スポーツをする上で必要な◯◯が、PTにも活かされる。
     

島田周輔先生経歴

理学療法士

日本サッカー協会公認 C級コーチ

神奈川県サッカー協会 医科学部会員

トレーナー担当部会 代表

■職歴

 

横浜マリノス

横河電機サッカー部(現、横河武蔵野FC)

アルビレックス新潟

大塚製薬サッカー部(現、徳島ヴォルティス)

昭和大学横浜市北部病院

昭和大学藤が丘リハビリテーション病院

島田周輔先生-元Jリーガー理学療法士(PT)が語るサッカー現場の「実情」-

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