本日も献本いただきました書籍の書評を勝手にやりたいと思います。本日の書籍は「明解 スポーツ理学療法-図と動画で学ぶ基礎と実践」非常に時代を感じるタイトルで、動画で学ぶ要素が加わっています。
今となっては、一般的なものになってきましたが、技術を含む書籍では重要な意味を持ちます。この辺りは後述するとして、まずは具体的な中身から見ていきましょう。
正直真新しいことはない
タイトル通りではありますが、これまで「スポーツ理学療法」「スポーツリハビリテーション」系の参考書は数多あります。スポーツ理学療法に関わっていた身からすると、この手の書籍は多く読んできたつもりですが、基本的には総論書籍か各論書籍か、医師向け書籍かトレーナー向きかによって異なるだけで、内容に真新しさは見当たりませんでした。
もちろん全く新しくないわけではなく、最新のトレーニング機器の紹介やトレーニングウェアの紹介もあるので、時代に応じた新しさはありますが、そのくらいかと思います。
異なる点をピックアップすると、文字よりも画像を多用している点、プロトコールの流れで書かれている点は、実際の臨床とマッチングしながら読み進めることができるため初学者にとって有益となります。
参考書の選び方
もはや我々の業界において、参考書がない分野を探すほうが大変で、他業界に比べると多く出版されている業界だと思います。その中でも、参考書の選び方には個々人の判断があると思います。
ここでは、わたし個人の選び方をご説明しつつ、本書がその中のドコに当たるのかを、お伝えしようと思います。まず、スポーツ理学療法に限らず参考書の選び方には大きく2パターンあると考えます。
①知る参考書②出来る参考書、の2パターンで考えます。それぞれ読んで字のごとくですが、知識として学ぶための参考書と各技術習得のために学ぶ参考書となります。
これは双方補完の関係にあると考えており、知っているからできるわけではなく、当然できるから知っているわけではありません。参考書の多くは、この中でも①知る参考書が大半かと思います。
その理由は、活字だけで技術の習得は難しいためです。ただ、昨今の出版状況として「知る参考書→出来る参考書」のように、技術習得に向けたものが多いように感じます。
今回の書籍は、上記のように「出来る参考書」の要素が多いように感じています。それは、先ほどもお伝えしたように「動画で学ぶ」ことができるからです。図や活字だけでは、細かい動きを伝えるのには限界があった一昔前と大きく変わった点が“ココ”にあると思っています。
実は、スポーツ理学療法関連において「出来る参考書」に重きを置いた参考書はまだ少なく、その点本書は有益であると思います。