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ヨガとリハビリテーション −理学療法士(PT)堀川ゆき先生連載第1弾−

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ヨガの効果を実証した研究論文が10年間で3倍に

堀川さん1

約4500年前インダス文明時代のインドで誕生したヨガは、もともと宗教的修行の一環として行われていた心身の鍛錬法でした。ヨガは、呼吸(プラナヤーマ)、ポーズ(アーサナ)、瞑想(ディヤーナ)によって構成され、その効果は、疼痛緩和、リラクセーション、ストレス解消、柔軟性向上、バランス能力向上、QOLの改善、末梢循環促進など様々な内容に及んで報告されています。

 

今日ヨガ人口が世界的に増加し続けていると同時に、査読のある代替補完療法研究誌において、疾病の緩和目的でのヨガの研究論文の掲載件数が、過去10年間で3倍に増大しています。最も多くの研究は発祥地インドで行われており、ついで米国、カナダの順番です。ヨガによる効果が検討された疾病のトップ3は、精神健康性疾患、冠動脈疾患、呼吸器系疾患でした1)

 

このように今世界各国でヨガの効果が注目され、ヘルスプロモーション分野にも積極的にヨガが取り入れられてきています。国内でも、病院や院内のリハビリテーション科、理学療法士のいるクリニックや介護施設において、ヨガが予防や治療として用いられています。

 

患者さんや利用者さんだけでなく、医師など医療スタッフに対しても提供されています。それらの多くは、理学療法士自身によってヨガクラスが開催されています。

 

私は今ヨガインストラクターとしてヨガスタジオで健常者を対象にヨガクラスを提供する一方で、理学療法士としてクリニックで患者さんを対象に、運動機能の回復を手伝うリハビリテーションを行っています。

 

実習生だった頃を含めて、実際に患者さんや利用者さん、医療従事者にヨガを教える機会を今まで何度かいただいてきました。

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ヨガのアーサナを通じて自分の身体の状態が分かる

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もともと理学療法士を目指したきっかけがヨガだったこともあって、私は中枢よりも運動器を専門に治療したいと思い、仕事先は整形外科クリニックを選びました。

 

なぜ身体の調和が崩れたのか、さらにその調和をどう取り戻していくかを、評価とともに考察して見通しをつけて治療します。身体の柔軟性や筋力といった運動機能や、痛みなどの症状は、リハビリを行う際の基準や指標となります。

 

そこで患者さんを担当させていただいて日々感じることは、今まで自分の身体の使い方に関心を持ってこなかった人があまりに多いことです。皆さんは今まで自分の「姿勢」や「歩き方」を意識したことはありますか?「姿勢」や「歩き方」は、幼い頃誰かに教わったわけでもなく、各々が大人になるにつれて自然と培ってきたものです。

 

それらが将来の身体の不調や疾患の原因となるとは思っていない方がほとんどなのではないでしょうか。クリニックではなくヨガスタジオに通ってくれている方も、必ずしも健康とは限りません。将来的に症状があらわれそうな要素を持っている方が多いのが現実です。

 

理学療法士は身体の専門家なので、人の体を見ればある程度の癖などは分かります。ですが、誰でもヨガのポーズを使うことで、同じように身体の状態を知ることができます。むしろ、自分の身体のことは本人が一番感じやすいはずです。

 

また、何十年の生活の中で出来上がった癖ですから、得意なスポーツの癖や生活環境や姿勢や歩き方など、ひとつひとつ振り返りながらヨガをやってみると気付きやすいです。

 

私は約10年行ってきたヨガのおかげで、リハビリの際の患者さんへのホームエクササイズの指導には役立っています。例えば腰痛など体幹筋のアンバランスがある場合には、ヨガのポーズがすごく有効で、リハビリとヨガの相性は良いと思っています。

 

特に、コブラのポーズや、壁を使った下向きの犬のポーズ、座位でのCAT&COWポーズをよく取り入れています。波のようにしなやかに動かせる脊柱と、その終着点である骨盤の動きは、ヨガでもリハビリでも共通して私は大切に考えています。

堀川さん4

【参考文献】

1) Mary Ann Liebert, :Research from Harvard and Johns Hopkins shows surge in journal articles on yoga therapy Journal of Alternative and Complementary Medicine (2015).

※簡単に日本語訳した記事はこちらです

http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50822&-lay=lay&-Find

理学療法士が教える! ヨーガでゆがみを探して、調整する セルフ・メンテナンス・ワークブック

 

【目次】

タレント活動する理学療法士

女優から理学療法士へ

私が大学院に行く理由

 

堀川ゆき先生経歴

経歴                                                                            

1982年 滋賀県近江八幡市に生まれる。

2002年(20歳)上京して劇団青年座研究所に入所する。

2005年(23歳)テレビ朝日「秘湯ロマン」レポーターとして活動する(~2013年)。

2006年(24歳)単身ニューヨークに3ヶ月間渡り、Michael Gilbert、Debellis Nixa、Horowitz Carlの指導のもと全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクター資格を取得。ニューヨーク中のヨガスタジオを訪れ、約200コマの様々なヨガクラスを受講してまわり、ニューヨークのヨガスタイルに深く影響を受ける。帰国後ヨガインストラクターとして活動。ヨガの聖地インドのリシケシのヨガニケタンアシュラムや、スウェーデン、ドイツ、デンマーク、タイなど各国を旅して現地のヨガを体験する。

2008年(26歳)アンダーザライトヨガスクールにて受付業務を担当する。

2010年(27歳)フィットネスクラブ ウラクアオヤマにてヨガを中心としたレッスンを担当。同時に2011年より自身主宰の都内のスタジオで完全紹介制パーソナルレッスンを開始。ヨガ・マットピラティス・ペアマッサージストレッチを組み合わせたオリジナルのレッスンを行う。

2015年(32歳)都内整形外科にて理学療法士として勤務する。

学歴

2013年(30歳) 日本大学文理学部英文学科卒業

2014年(31歳) 東京メディカルスポーツ専門学校理学療法士科卒業

2015年(32歳) 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修卒業

           慶應義塾大学大学院医学研究科眼科学教室博士課程入学

学位                                             

健康マネジメント修士

所属

慶應義塾大学大学院医学研究科眼科学教室 博士課程            

資格・免許                                                                                      

・理学療法士

・全米ヨガアライアンス200(ニューヨークヨガスタジオTeacher Training Course修了)

・特殊小型船舶免許

・文部科学省認定 色彩検定2級

・京都府洋裁学校正教員資格

所属学会                                            

・公益社団法人日本理学療法士協会

・日本抗加齢医学会

・日本スポーツ産業学会

社会的活動                                            

2011年(28歳)いわき市社会福祉協議会災害支援ボランティアセンター ボランティア

出演・掲載など

2005年 テレビ朝日「秘湯ロマン」レギュラーレポーター出演

2008年 日本文芸社「荷風!」都電のある風景 レギュラーモデル出演

2010年 iPhone& iPadアプリ「堀川ゆき インド・リシケシ・ヨガの旅」ヨガポーズ写真集発売

2015年 日本スポーツ産業学会第24回大会号掲載「メンズヨガ ―男性のヨガに対するイメージとヨガセッション後の変化―」他

 

 

キーワード

♯理学療法士 ♯ヨガ ♯研究

ヨガとリハビリテーション −理学療法士(PT)堀川ゆき先生連載第1弾−

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