12日経団連は「今後の医療・介護制度改革」に向けた提言を公表。医療・介護給付費は、 2040年に向けて経済成長を上回るペースで増加する見通しとなっており、現役世代が負担する保険料の伸びにもつながる構図となってさらなる可処分所得の低下を招くことになる。
改革の方向性
経団連は2019年11月に提言「経済成長・財政・社会保障の一体改革による 安心の確保に向けて」を公表し、医療・介護制度改革に関する考え方について詳述した。2019年提言以降、例えば、医療では負担面の改革が一部進展している。
▶︎https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/091_honbun.pdf
わが国の医療提供体制については、以前から、他の先進国と比べて 人口当たりの病床数が多いことや、都道府県ごとの病床数の多寡に起因する入院医療費の地域差の課題(図表6参照)などが指摘されている。こうした状 況を是正することに加え、限りある医療資源を有効に活用する観点から、高齢化などの人口動態の変化を踏まえて、医療機能もこれに応じた体制へと最適化 していくことが不可欠である。
医療費の適正化に向けては、提供体制の在り方のみにとどまらず、患者側の受診行動にも起因する要素も少なからずあることに留意することも必要である。