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PTOT国試の出題基準令和6年度より改定|合格率への影響は?

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3月31日医道審議会理学療法⼠作業療法⼠分科会より「理学療法⼠・作業療法⼠国家試験出題基準の改定」が報告された。この改定は令和6年度の第59回理学療法⼠・作業療法⼠国家試験より適応される。令和2年4⽉より適応されたPTOT養成カリキュラム改正を踏まえた国試出題基準の改定となる。過去に、22年度(45回)、28年度(51回)版で国試出題基準の改定が行われている。国試出題基準の改定後、合格率の変動を以下にグラフ化(赤線で出題基準改定)した。

 

22年度における改定が翌年の23年度国試で大幅に合格率を下げている点で影響を受けているように感じるが、28年度改定ではその年のPT国試のみが大幅に合格率を下げた結果となっている。現段階では、出題基準の変更が国試合格率に及ぼす影響は不明であると考えられることから、不用意な揺動(例:出題基準の変更により合格率が下がるなど)に気をつけたい。

令和6年版国試出題基準▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000163627_00001.html

平成28年度年版国試出題基準▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000058636.html

平成22年度年版国試出題基準▶︎https://www.mhlw.go.jp/topics/2008/09/tp0908-2.html

主要変更点のまとめ

*28年度改定から追加された項目のみ掲載

⼤項目、中項目、⼩項目に分類する。 *一部サイト用に改変

(1,2,3…)⼤項目は中項目を束ねる⾒出しとする。 

(A,B,C…)中項目は、理学療法⼠・作業療法⼠国家試験の出題範囲とする。 

(a,b,c…)⼩項目には、中項目の内容を例⽰する。 

①中項目に関連する主たる項目範囲を⽰す。 

②標準的な学生⽤教科書に記載されている程度の内容は出題範囲となる。 

():直前の語の説明 例︓保存的治療(牽引療法を含む)、体性感覚(表在感覚、深部感覚) 

<>:直前の語の言い換え 例︓⽇常生活活動〈ADL〉、QOL〈quality of life〉

理学療法⼠作業療法⼠国家試験出題基準の利⽤法

*PTOT共に管理学が新たに追加された。 

専門基礎分野(理学療法、作業療法共通)

Ⅰ 人体の構造と機能及び心身の発達

→大きな変更なし

Ⅱ疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進

2生理学:

D感覚、認知 F認知機能

4リハ医学:

[A総論]c研究法

[C機能障害の評価とリハ]m栄養障害

12内部障害と臨床医学:

 h その他(臓器移植後等)

13がん関連障害と臨床医学 

 g 血液腫瘍・骨髄移植、h 転移性腫瘍 

14老年期障害と臨床医学

hサルコペニア・フレイル、j栄養障害

Ⅲ保健医療福祉とリハビリテーションの理念

1保健医療福祉:

[A医療]g NBM(narrative-based medicine)〈物語に基 づいた医療〉

2リハビリテーション概論:

[F地域包括ケアシステム]a CBR〈community based rehabilitation〉

 

専門分野(理学療法)

Ⅰ基礎理学療法学

1理学療法の基礎:

[B生命・医療倫理]c 死生観、看取り

[C社会理解]a人間関係論 b多様性社会 c地域社会

[E障害の捉え方]c NCMRR〈National Center for Medical Rehabilitation Research〉分類、Nagiモデル

[G医療統計]a 実験計画法 b 推測統計 c 妥当性、信頼性 d 感度、特異度、過誤、尤度比

2理学療法の範囲:

[G予防]d重症化予防

3理学療法学の基礎:

[L栄養]

[M薬理]

*Ⅱ理学療法管理学(新規追加)

ⅲ理学療法評価学

3 心身機能、身体構造:

[B 画像評価]a X 線 b CT、MRI、SPECT、PET 等 c 超音波エコー d 心電図 

[C 神経生理学的評価]a 筋電図、神経伝導検査、誘発電位、磁気刺激法 

[D 運動学的評価]a 3次元動作解析、床反力分析

[F運動]iバランス

[H痛み]a 定義 b 分類(継続) c 機序 d 急性痛、慢性痛 e 心理的評価

[I発達]c 運動発達 d 感覚、知覚、認知 e 心理・社会的発達

[J気分]a 抑うつ b 情動 c 関心(アパシー)

[K 認知症] a 病期 b 認知症(BPSD を含む)

4 基本動作(中項目から繰り上げ:

5活動と参加:b 趣味、余暇活動

7 義肢、装具、支援機 器、自助具等:

[B 支援機器、自助具等] g 支援機器

8 疾患、障害(小項目に病期が追加):

[A骨関節]k 骨粗鬆症 m 先天性異常、系統疾患 n 骨軟部腫瘍

[D発達]g 先天性神経筋疾患 h 早産児 i 重症心身障害児

[E呼吸]b間質性肺炎 d 結核性肺炎 e 外科術後 f 人工呼吸器管理状態

[I 集中治療]a 救命救急 b 集中治療・クリティカルケア c モニタリング d 人工呼吸器

[Lサルコペニア、フレイル]

[N 有痛性疾患・障害] c がん性疼痛

[Pその他の疾患・障害] d 多疾患併存 e 産科・婦人科領域の疾患、産前産後

9 保健、予防(小項目に病期が追加):

[B 産業理学療法] a 作業関連疾患、治療と仕事の両立支援

Ⅳ 理学療法治療学

1 基礎:

[B 治療プログラムの立案] a 診療ガイドライン b 理学療法プログラムの立案

[Cリスク管理] g 喀痰等の吸引

5 心身機能、身体構造:

[H 摂食嚥下(小項目から中項目への繰り上げ)]

6 基本動作:

[D 歩行] a 筋力、支持性 b バランス c テンポ、リズム d 不整地歩行、応用歩行 

[E 移動(歩行を除く)] a 障害物回避 b 階段昇降 c 走行、跳躍 d 歩行補助具 e 車椅子

Ⅴ 地域理学療法学

1 基礎:

[C地域理学療法] h小児の理学療法(通所施設、児童発達支援施設等)

[D災害時] a 災害時の支援 b 国際支援 E 産業理学療法 

[F学校保健] a 特別支援教育、スポーツ支援 

[G 緩和ケア・人生の最終段階] 

[H 健康維持、健康増進]

[I 母子保健] a 早産児、発達性協調運動障害、重症心身障害児 

[J 予防] d 虚弱予防、サルコペニア、フレイル e 重症化予防

3 安全管理 :

[A 感染予防] 

[B 急変時の対応]

Ⅵ 臨床実習

1 実習前準備:

[A 医療倫理] a 社会的責任 b インフォームドコンセント(継続) 

[B 理学療法における倫理] a 理学療法士の倫理(患者の権利、理学療法士の義務)

*以下主に小項目の追加

[D 感染予防] a 標準予防策(手指衛生、咳エチケット等) b マスク、防護服、手袋など c 感染区域

[E 個人情報保護、情報管理] 

[F 事故・過誤の対応] 

[G 対人関係技法] a 対象者との関係構築 b 理学療法士としてのチームでの関係構築 c コミュニケーション、身だしなみ、態度 

[H 医療面接] a 傾聴、面接者の態度等 

[I 実習前知識技能評価] a 態度・知識・技能 b 行動規範(ハラスメント予防)

2医療提供施設実習実施 内容:

[A 診療参加型実習] a 指導体制 b 能動的学習等

[J 記録、報告] a 評価・治療経過の記録と報告 b 問題志向型医療記録〈POMR〉 c SOAP(主観的所見、客観的所見、評価、計 画) d 症例報告 

[K 地域理学療法] 

[L 実習前・後評価] a 医療面接、実技、OSCE 等

3 地域実習実施内容:

[A 情報収集] a 他部門、診療録 

[B 通所リハビリテーション] 

[C 訪問リハビリテーション]

[D 多職種による協働]

[E ケアプラン]

4 実習後評価:

[A 実習で学ぶべき内容] a 態度 b 知識 c 技能 d プロフェッショナリズム e 思考力・判断力・表現力 f 主体性・多様性・協働性

 

専門分野(作業療法)

Ⅰ基礎作業療法学

1作業療法の基礎:

[B生命・医療倫理]d 死生観、看取り

[C法規、関連性ど] f 障害者権利条約 g 障害者虐待防止法 h 地域包括ケアシステム

[D 疾病・生活機能の概念と分類] c 米国精神医学会精神疾患診断分類〈DSM〉

[F医療統計] a 記述統計 b 推測統計 c 感度、特異度、尤度比、妥当性、信頼性

[Gエビデンスに基づく作業療法] a クリニカルリーズニング b 診療ガイドライン c 推奨グレード d Narrative Based Medicine〈NBM〉

2理学療法の範囲:

[G予防] d重症化予防

[H研究、教育] a 研究倫理 b 研究方法 c 多職種連携教育 d 養成教育と生涯教育 

[I災害時対応] 

[J国際協力]

3作業療法学の基礎:

[A 作業の分類]e 生活行為向上マネジメント〈MTDLP〉

 

*Ⅱ作業療法管理学(新規追加)

 

ⅲ作業療法評価学

3 心身機能、身体構造:

[B 画像評価] a X 線 b CT、MRI、SPECT、PET 等 c 超音波エコー d 心電図 

[H 発達] a新版K式発達検査、日本版ミラー幼児発達スク リーニング検査〈JMAP〉等)

4 基本動作(中項目から繰り上げ):

5活動と参加:

[E 教育関連活動] a 就学前 b 就学支援 

[F 参加] e 学校教育現場 f 生活範囲 

[G 生活行為向上マネジメント] a 生活行為向上マネジメント(MTDLP)

6 背景因子等:

[B 環境因子] e 学校環境

7 義肢、装具、支援機 器、自助具等:

a 車椅子、座位保持装置 b ベッド・寝具 c 移乗機器 d 歩行補助具 e ロボット・支援機器 f 自助具 g 日常生活用具

8 疾患、障害(小項目に病期が追加):

[C 高次脳機能障害] a 病期 b 感情 c 注意 d 記憶 e 認知 f 行為 g 言語、コミュニケーション h 遂行機能、前頭葉機能

[E中枢神経]  i 脳腫瘍

[H呼吸] a 病期 b 間質性肺炎 c 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉 d 結核性肺炎 e 外科術後 f ICU 管理 g 人工呼吸器管理状態 

[I 循環] a 病期 b 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症) c 心不全(急性・慢性) d 末梢動脈疾患 e 大動脈疾患、弁膜疾患 f 閉塞性動脈硬化症 g Raynaud 症候群 h 深部静脈血栓症 

[J 代謝] a 病期 b 糖尿病 c 肥満 d 慢性腎臓病

[L 廃用症候群] aサルコペニア、フレイル

[M がん等] a 病期 b 周術期 c リンパ浮腫 d 骨転移 e 緩和

[O その他の疾患・障害] a 摂食嚥下障害、有痛性疾患等 b 多疾患併存

9 保健、予防:

[B 産業作業療法] a 作業関連疾患、治療と仕事の両立支援

[C リエゾン精神医療] a リエゾン作業療法を含む

Ⅳ 作業療法治療学

1 基礎: 

[B 治療プログラムの立案] a 診療ガイドライン b 作業療法プログラムの立案

[C リスク管理] g 喀痰等の吸引 f フレイルの予防と対応

3基本動作(中項目から繰り上げ):

[D 歩行] a 筋力、支持性 b バランス c テンポ、リズム d 不整地歩行、応用歩行 

4活動、参加:

[E 教育関連活動] a 就学前 b 就学支援

[F参加] d 学校教育

[G 生活行為向上マネジメント] a 生活行為向上マネジメント(MTDLP)

6義肢、装具、支援機 器、自助具等:

[B支援機器、自助具等] a 車椅子、座位保持装置 b ベッド・寝具 c 移乗機器 d 歩行補助具 e ロボット・支援機器 f 自助具 g 日常生活用具

7疾患、障害:

[C 高次脳機能障害(小項目から中項目への繰り上げ)] a 感情 b 注意 c 記憶 d 認知 e 行為 f 言語、コミュニケーション g 遂行機能、前頭葉機能

[E 中枢神経] h 心理的発達の障害(限局性学習障害、自閉症ス ペクトラム障害を含む)

[G 発達]  f 精神・心理的発達の障害(自閉症スペクトラム 障害広汎性発達障害、注意欠如・多動性障害を 含む)

[H呼吸] a 病期 b 間質性肺炎 c 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉 d 結核性肺炎 e 外科術後 f ICU 管理 g 人工呼吸器管理状態 

[I 循環] a 病期 b 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症) c 心不全(急性・慢性) d 末梢動脈疾患 e 大動脈疾患、弁膜疾患 f 閉塞性動脈硬化症 g Raynaud 症候群 h 深部静脈血栓症 

[J 代謝] a 病期 b 糖尿病 c 肥満 d 慢性腎臓病

[L 廃用症候群] aサルコペニア、フレイル、ロコモ―ティブ症候群

[M がん等] a 病期 b 周術期 c リンパ浮腫 d 骨転移 e 緩和ケア

[O リエゾン精神医療] a リエゾン作業療法を含む

[P その他の疾患・障害] a 摂食嚥下障害、有痛性疾患等 b 多疾患併存

9 保健、予防:

[B 産業作業療法] a 作業関連疾患、治療と仕事の両立支援

Ⅴ 地域作業療法学

1 基礎:

[B関連法規、制度] g 地域包括ケアシステム h 地域保健法 i 学校教育法 j 産業保健法

[E 災害時の支援]

[F ノーマライゼーション] a バリアフリー b ユニバーサルデザイン c 合理的配慮 d コミュニケーション e 移動 f 社会的環境整備の働きかけ

[H 予防] e 重症化予防

2 評価と支援:

[C 生活行為向上マネジメント] a 生活行為向上マネジメント(MTDLP)

[D 就園・就学支援]  c 学校教育支援

[E 雇用・就労支援] c 就労準備支援 d 就労定着支援 e 一般就労支援

3 安全管理:

A 感染予防:

[B 急変時の対応]

[C 転倒予防]

Ⅵ 臨床実習

1 実習前準備:

[A 医療倫理] a インフォームドコンセント(小項目へ繰り下げ)

[C 感染予防・感染対策(小項目から中項目への繰り上げ)] a 標準予防策(手指衛生、咳エチケット等) b マスク、防護服、手袋など c 感染区域

[D ハラスメント]

[E 作業療法における倫理] a 作業療法士の倫理(作業療法士の義務)

[F 事故・過誤の対応]

[G 対人関係技法] a 接遇等

[H 面接]

[I 評価・治療技術] a OSCE

2医療提供施設実習実施内容:

[A 診療参加型実習] a 指導体制 b 能動的学習等

[C医学的情報の理解] f 服薬状況

[F対応すべき生活機能と障害] a 肯定的側面 b 否定的側面

[I 他部門・多職種との連携] a チーム医療 b 多職種連携

[L 実習前・後評価] a 医療面接、実技、OSCE 等

3 地域実習実施内容:

[A 情報収集] 

[B 通所リハビリテーション]

[C 訪問リハビリテーション]

[D 行政機関] 

[E 学校・放課後等デイサー ビス]

[F 福祉施設]

4 実習後評価:

[A 実習実施内容] a 態度 b 知識 c 技能 d 思考力・判断力・表現力 e 主体性・多様性・協働性

PTOT国試の出題基準令和6年度より改定|合格率への影響は?

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