シンスプリントと危険なケースの鑑別法&アプローチ法【動画付き】

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整形外科疾患の中でも多いシンスプリントの痛み。ストレッチやトレーニング指導でもなかなか痛みが改善せず困っているセラピストも多いのではないでしょうか?今回は、国際的な筋膜の施術のスキルを誇る青山筋膜整体理学BODYだからこそ解説できるシンスプリントと危険なケースの鑑別から具体的なアプローチ法までわかりやすく解説します。

シンスプリントと間違いやすい【危険なケース】の鑑別

シンスプリントは、硬い路面でのランニングや底屈筋の過負荷によって誘発される下腿の違和感や疼痛と定義され、下腿内側の痛みが一般的です。これと間違いやすい危険なケースが、脛骨疲労骨折です。

 

脛骨疲労骨折は、繰り返しの力学的負荷が生じることによって起こる骨折です。筋疲労と骨の破断の相乗によって生じ、骨リモデリングが骨形成を上回った状態と定義されています。

 

つまり、発生メカニズムや疼痛部位は類似しているが、脛骨疲労骨折は骨自体に器質的な問題が生じている骨折に対し、シンスプリントはそれ以外の症候群ということになります。

 

当たり前ですが、骨折の場合は運動は制限する必要があるためこの見分けが重要です。両者とも重症度によって分類がされますが、その分類と鑑別のポイントは以下の表の通りです。

引用文献:[1]八木茂典,下腿のスポーツ障害に対するリハビリテーション,MB Med Reha No.182 2015

表だけをみるとなんだか難しそうに感じてしまうかもしれませんが、実際現場で主に必要となるのは2つの痛みの評価です。その2つの評価とは、圧痛と動作時痛の評価です。その具体的な内容は以下の通りです。

■圧痛

・シンスプリント:一般型〜重症型も縦5cm以上の広範囲

・脛骨疲労骨折:疾走型も跳躍型も限局したピンポイント

■動作時痛

・シンスプリント:ランニングで痛みはあるが歩行時痛はない

・脛骨疲労骨:急性期は歩行時も痛みがあり、片足ジャンプは困難

シンスプリントのメカニズムと本当に効果的なアプローチ戦略

一般的なシンスプリントのアプローチとしては運動療法や足底板が選択されます。しかし臨床上、筋膜のアプローチにより即時的な痛みの改善や、ジャンプの痛みが消失するケースが意外と多いです。筋膜とシンスプリントの関係性についてイメージが湧きにくい人のために簡単に解説していきます。

■シンスプリントの重症型のメカニズム

ランニングなどスポーツ動作における足部の回内

脛骨に捻りストレス

脛骨内方に応力集中

骨微細損傷とリモデリングのバランス障害

シンスプリント

という機序をたどります。この場合、下腿の筋膜が高密度化を起こし(硬くなり)、それ自体が痛みの原因になっていたり、後脛骨筋の機能低下が生じているケースが多いです。

 

筋膜が高密度化を起こす(硬くなる)とその周囲の筋肉の伸張性や筋出力も低下します。そのため、局所の症状を改善させるためには下腿筋膜の滑走不良を改善させる必要があります。しかし患部に近いことから、下腿筋膜を直接アプローチすると、症状を悪化させてしまうリスクがあります。

 

ではどこにアプローチすべきか?それが【内側広筋上の筋膜】です。内側広筋上の筋膜は、大腿全体を包む大腿筋膜を介して下腿筋膜の内側へ強く連結しています。そのため、内側広筋上の筋膜へアプローチをすることで結果的に下腿筋膜へのアプローチに繋がります。

具体的なアプローチ方法を動画で徹底解説!

まずは、内側広筋上の筋膜を評価していきます。

 

その具体的な方法は、内側広筋上を皮膚を滑らすように丁寧に触っていきます。高密度化を起こしているケースでは、筋線維がカチッと固まっているようなポイントがあります。

 

その部分を、少し圧迫してフリクションした時に痛みを訴えるような場合は内側広筋の筋膜が硬くなっていると判断します。

(※解説動画:https://youtu.be/bYBzQwr5bwY

ここに対してアプローチをしていきます。

 

具体的な方法は、シンプルでカチッと硬くなっている部分を無くしていくことです。「ごりごりした感じ」と「痛み」が取れるまで3分程度マッサージを続けてみてください。

(※解説動画:chttps://youtu.be/5qNPgSU7V3I

徐々にこの硬さが取れてくれば、痛みの解消に繋がっていきます。

 

このアプローチは、深筋膜に対し機械的刺激と炎症反応による熱刺激を加えてヒアルロン酸の状態を変えるので、かなりの痛みを伴います。アプローチはマイルドに行っていきましょう。また、アプローチの目的と理由をしっかりと患者さんに説明し、同意を得てから介入してください。

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今回は、「シンスプリントに対する正しい評価と筋膜アプローチ法」をご紹介しました。単純にストレッチやトレーニングでも改善しなかった痛みが解消できたかと思います。ただ、今回ご紹介した筋膜アプローチは、あくまで筋膜アプローチのほんの一部に過ぎません。本当は、このケースにおいてもまだ何パターンもアプローチの方法があります。

 

もっと「本格的に筋膜アプローチを学びたい」「筋膜アプローチのスキルを身につけたい」という方はぜひ、私たち「青山筋膜整体 理学BODY 」へお問い合わせください。

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