キャリアコンサルタントが徹底サポート

「1年後の成績は、学力以外の思考・行動パターンで予測可能」示唆

1680 posts

学部医学科カリキュラム管理運営の一環として、Institution for a Global Society 株式会社(本社東京都渋谷区、代表取締役社長 福原 正大、以下 IGS)の協力のもと、同学科学生を対象にBIG5やコンピテンシーの計測・分析を実施しています。その結果、大学2年生以上は、コンピテンシー※1のスコアから1年後の学業成績の予測ができる可能性が示唆されました。

大学生の成績予測モデルにより、大学は学生一人一人をケアすることが難しい中で、必要な学生を見つけて早期から支援することができ、より多くの学生の成績を伸ばしやすくすることができる可能性があります。両機関は今後、得られた所見の普遍性につき、研究活動として分析していく予定です。※1 コンピテンシー:高い成果につながる行動特性(思考パターンや行動パターン)

 

■分析結果のポイント

 ○1年前に計測したコンピテンシーのスコアから、学業成績の予測ができる可能性が示唆された。

 ○特に、2学年時の成績は、約1年前に測定したコンピテンシーの誠実さ、感情コントロール、解決意向の他者評価スコアで、ある程度予測できる可能性が示唆された。(決定係数(予測精度)が0.368)。また、5学年時の成績は、誠実さ、疑う力、成長である程度予測できる可能性が示唆された(決定係数が0.240)。

 ○以上から、誠実さなどのコンピテンシーが低い大学生に、コンピテンシーが向上する支援を行うことで、成績向上の可能性を期待することができる。

なお、コンピテンシーはIGSの360度評価ツール「GROW360」で測定した。友人3人が能力を相互評価し、人工知能(AI)が評価の甘さ・辛さや回答時間など評価の信頼性を分析して補正することで、コンピテンシーがスコアで示される。

 

■分析の概要

 ○対象者:東京医科歯科大学医学部医学科 第1学年(93名)、2学年(76名)、5学年(81名)

 ○対象データ:
 ◇2019年から2020年にかけてGROW360でコンピテンシーとBIG5を計測
 ◇2学年の学業成績、5学年の学業成績(コンピテンシー計測から1年後の成績)

 ○分析方法:
 ◇を探るため、2学年、5学年の学業成績と、コンピテンシー、気質、気質組合せの相関分析を実施。
 ◇従属変数を学業成績、説明変数をコンピテンシー25項目、気質5項目、気質組合せ10項目で検討。
 ◇データ数から適切な説明変数の数の上限を判断し、説明変数は相関係数の絶対値が上位のものを使用。
 ◇総当たり法で重回帰分析を実施、自由度調整済決定係数が最大となる組合せを検証。

 

■分析結果

○相関分析により、1学年時は学業成績とコンピテンシーの相関はあまり見られなかった(最大で相関係数0.24ほど)が、2学年、5学年は学業成績と複数のコンピテンシーにある程度の相関が確認できた(最大で0.5ほど)。気質と学業成績には高い相関は見られなかった(最大で0.28ほど)。

○重回帰分析により、2学年時の成績は約1年前に測定したコンピテンシーの誠実さ、感情コントロール、解決意向の他者評価スコアで決定係数(予測精度)が0.368。5学年時の成績は、誠実さ、疑う力、成長で決定係数が0.240。

○補足:決定係数は1に近づくほど精度が高いが、人的データを用いた予測では、ワークサンプルテストでもその人のパフォーマンスを予測できる精度が0.29。

 

<APPENDIX>

■GROW360とは

組織で成功している人材の思考・行動から導き出される共通の「行動特性(コンピテンシー)」と、潜在的な性格「気質」を可視化するAI評価ツールです。これまで約74万人※2の学生・社会人が受検しています。

※2 2022年6月末時点

 

評価者の甘辛傾向や忖度等、上司や採用面接官等、評価者固有の「評価の偏り(バイアス)」をAIが分析・補正することによって、より正確な評価結果が得られます(特許技術)。更に、受検者が意図的に「受けがいい」と思われる選択肢を選べないように工夫されている設問が特徴です。

従来の人物評価テストでは見落としてしまっていた、ポテンシャルある人材を発掘できるツールとして、大手企業を中心に新卒採用や中途採用で活用されているほか、人材の配置、人材育成の場面での活用が増えています。

サービスサイト:https://www.grow-360.com/ja  

 

詳細▶︎https://www.tmd.ac.jp/press-release/20230215-1/

注)プレスリリースで紹介している論文の多くは、単純論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎました。 、さらに研究や実験を進める必要があります。 、専門家の指導を受けるなど十分に配慮するようにしてください。

 

「1年後の成績は、学力以外の思考・行動パターンで予測可能」示唆

Popular articles

PR

Articles