24日第220回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、今回は主に訪問介護・看護・リハビリテーション(訪問リハ)に議論の話題が集中した。訪問リハにおいては予てより①介護事業所の訪問リハ施設が少ない②医療機関から介護への移行をスムーズにする③アウトカム評価の充実が議論されてきた。今回の議論においても、上記3点のいずれかに話題は集中した。アウトカム評価においては、医療機関において徐々に進められている一方で、介護保険下における利用者の状況とは大きく異なる。つまり、大きな改善が見込まれない状況の中で改善のみをアウトカム評価の指標とするのはいかがなものかという議論である。介護保険下においては、昨日の維持向上以上に維持が重要であることは言うまでもない。アウトカム評価の中ではこの維持に関しても評価される仕組みが重要であるとの意見がある。
一方で今回の議論では、訪問介護における人員不足に関する話題が非常に多く議論され、現場サイドからの改善要請も多く聞かれた。また、毎度報酬改定の議論の中で話題となる訪問看護事業所における看護師とリハ職の割合に関して、相反する状況に違和感を覚える。訪問看護におけるリハ職の割合に関しての議論であり、供給過多だけが問題視されているわけではないものの、訪問介護の人材不足が同じ土俵で行われている。もちろん、訪問看護でのリハ職の役割と訪問介護での介護士の役割は全く異なる点は理解できるが、業務がかぶる点も多くあるようにも思える。訪問介護における家族等の要望を一つ一つ精査し、介護士や看護師の仕事をリハ職に一部タスクシフト・シェアすることはできないのだろうか。訪問看護におけるリハ職の割合が多すぎる点を逆手に取り、減らすのではなく活用する道筋を考える議論も同時に行っても良いのではないかと個人の意見として述べておきたい。
▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34231.html
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文責:今井俊太