20日武見敬三厚生労働大臣と鈴木俊一財務大臣が折衝を行い、診療・介護報酬改定率の正式決定内容を報告しました。2024年度は、日本の医療および介護分野において、診療報酬と介護報酬の重要な改定が行われます。これらの改定は、医療従事者と介護職員の待遇改善を目的とし、同時に国の財政負担の増加を抑制することを目指しています。
【診療報酬の改定概要】
2024年度の診療報酬は、0.88%のプラス改定が行われます。この改定のうち、0.61%は看護職員や病院薬剤師の待遇改善に、0.06%は低所得者の入院食費支援に充てられます。また、生活習慣病管理の評価などにより0.25%が適正化され、実質的な本体改定は0.46%となります。特に、40歳未満の医療従事者の賃上げには0.28%が割り当てられています。これらの改定は、厚生労働大臣と財務大臣の合意に基づき、社会保障関連費の増加を抑制する方針で進められます。
【介護報酬の改定概要】
介護報酬については、1.59%のプラス改定が予定されており、その内0.98%は介護職員の処遇改善に、0.61%は実質的な本体プラス部分に充てられます。注目すべき点は、看護職員やケアマネジャーを含む介護職員の待遇改善に資することです。さらに、介護医療院や老健施設の多床室入所者の室料負担や、介護保険利用料の範囲拡大に関する議論も進行中です。2024年度の改定は、処遇改善加算の一本化も含め、介護職員不足の問題に対応するためのものです。
これらの改定は、医療および介護サービスの質の向上と、従事者の待遇改善を目的としています。ただし、これらの改定により患者や保険加入者の負担増が生じる可能性もあり、今後の社会保障制度のバランスについては引き続き注意深く監視する必要があります。また、改定の詳細は中央社会保険医療協議会や介護給付費分科会での議論を通じて明らかにされる予定です。これらの改定は、医療・介護分野における人材確保とサービスの持続可能性に向けた重要な一歩となることが期待されます。
▶︎https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001180683.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第574回)資料▶︎https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00233.html