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足底筋膜炎の評価と運動療法

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こんにちは!

Sportipのサイエンスチームの河村崇史(こうむらたかし)です。

本日は足底筋膜炎の評価と運動療法について紹介したいと思います。

今回の内容は、整形外科領域で従事されているセラピスト向けの内容となっています。

ここで紹介する評価方法や運動療法、Sportip Proの使用例を参考にして、足底筋膜炎に対するリハビリに活かしていきましょう!

足底筋膜炎とは?

足底筋膜炎は、踵骨内側(足底筋膜の内側から踵骨内側結節の付着部の間)に、鋭い痛みが生じる状態です。さらに、これは長い間、足底筋膜の炎症によるものと考えられてきましたが、現在では、組織の微細な変性(John et al,. 2017)とそれに続く肥厚(Jerry et al,. 2011)による可能性が高いと報告されています。つまり、この状態は炎症性ではないため、「足底筋膜症」という表現が適切であるとも言われています(Harvey et al,. 2003)。

そんな足底筋膜炎の症状は、踵骨の内側前方に痛みが出ることであり、起床して最初の1歩目に痛みを感じることが多くあります。そして、歩くうちに徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い、再び痛みが強くなることがあります。他にも、長時間の立ち仕事や歩行、階段を昇る際や、つま先立ちなどで痛みが増します。性別による特徴は、中年女性に多く、スポーツでは若い男性に多いです。 同様の症状は、スポーツ活動時にも確認され、ランニングなどの開始時は痛みを強く感じますが、運動を続けるうちに徐々に軽快し、長時間になると再び痛みが強くなります。

そんな足底筋膜炎の原因は、長時間の立ち仕事や歩行、体重増加、靴の不適合、スポーツ(ランニングやジャンプなど)による使いすぎによるものと考えられています。使いすぎるのがなぜ良くないのかというと、足底筋膜は運動する際、強い牽引力とともに、着地時の荷重による衝撃の両方が加わるからです。このため、解剖学的に踵から前足部(基節骨)にかけて伸びている足底筋膜の踵に付着する部位に過大な負荷が集中します。

このブログでは、足底筋膜炎の評価方法と運動療法について解説します。これにより、患者さんの症状を詳細に把握し、運動療法につなげ、生活の質を向上させるためのアプローチを学んでいきましょう。

足底筋膜炎の評価方法

まず、医師から足底筋膜炎と診断されるには、足底筋膜とかかとの骨の付着部周囲に圧痛(押さえたときの痛み)があること。長時間の立位、歩行、走行、歩行開始時のいずれかのときに、足底腱膜とかかとの骨の付着部周囲に疼痛があらわれること。神経の圧迫や障害(足根管症候群等)、筋・腱の部分断裂(後脛骨筋腱機能不全等)、反射性交感神経性萎縮症(RSD)、足底腱膜線維腫症等は除外すること。以上の3つがポイントになります。

※MRI検査では足底腱膜の肥厚と信号変化が観察される場合があります。また、レントゲン検査にて、踵に骨棘が認められることがありますが、診断の決め手にはなりません。

次に、足底筋膜炎のリスクファクターは可動域の低下であり、特に足関節の背屈制限やアキレス腱の可動性の低下は、足底筋膜への負荷を増加させます。そして、足部のアライメントもリスクファクターになります。足部のアーチの高さや足の形状(フラットフットやハイアーチ)は、足底筋膜へのストレスを変化させる重要な要因になります。その他のリスクファクターとしては、肥満、長時間の立位や歩行、適切でない靴の着用、運動の急激な増加などがあります。

そんなリスクファクターを測定する評価も含め、足底筋膜炎の評価について以下にまとめます。

視診、問診、触診 

①痛みの場所、程度、活動レベルと影響

目的:足底筋膜炎の症状を確認し、痛みの場所とその影響を評価するため

方法:視診:足のアーチの高さ、足の形態、炎症反応を確認

   問診:痛みの場所、程度、痛みの発生時期、活動レベル、痛みが日常生活や運動に与える影響を確認

   触診:足底筋膜の起始部(踵骨前内側部)を圧迫し、痛みの有無を確認

②Windlassテスト

目的:足底筋膜の張力を評価し、足底筋膜炎の診断を補助するため

方法:1.椅子に座り、足を床に置く

   2.足の親指を背屈し、足底筋膜に張力を加える

   3.この動作で足底筋膜に痛みが生じるかを確認 

可動域測定

主に足関節の可動域測定が必要です。

目的:足関節の可動域測定から、制限を確認し、その要因を評価するため

方法:ゴニオメーターを使用して、可動域の角度を測定

※特に背屈の可動域制限はリスクファクターになるため要検査する

アライメントの評価 

①leg heel alignment 

目的:踵骨と下腿のなす角度から、足部の回内外角度を確認し、その要因を評価するため

方法:ゴニオメーターを使用して、可動域の角度を測定

②Navicular Drop テスト

目的:足部内側縦アーチの変動を確認し、その要因を評価するため

方法:1.患者を立位で立たせ、足をリラックスさせます。

   2.足内側の舟状骨の高さを座位と立位で測定します。

   3.その高さの差を計測し、足部内側縦アーチの崩れを評価します。

立位時

座位時

このように適切な評価を行うことが重要です。

ここで言う適切な評価とは「定量的かつ再現性のある評価を行うこと」であり、一般的に姿勢の評価は検査者の肉眼によって行われ評価されます。しかしながら、これらのような評価方法では、検査者の見方や解釈によって誤差が生じる恐れがあります。

そんな時に役に立つのが、弊社のSportip Proです!

Sportip Proを用いた評価方法

本来であれば、適切な評価のためには、姿勢や歩行に関する知識やたくさんの動作解析をしてきた経験が必要になります。日々の業務の中で膨大な時間をかけ続けなければなりません。

しかしながら、Sportip Proを用いると姿勢・歩行解析を定量的かつ再現性高く測定することが可能です。さらに、Sportip Proを活用することで、「評価」が一瞬で適切にできます!加えて、客観的な評価からデータの記録もし、後日振り返ることも可能です。

つまり、Sportip Proを活用することで指導の価値向上や満足度・理解度の向上を実現できると考えています。

Sportip Proを使用した評価の1例 姿勢解析

後足部解析

足部の異常や特徴を見つけ、改善するための手がかりを得ること。

 

扁平足                              足部の回内位

後足部のアライメントについて

踵骨の内反外反について

これらにより、足部のアライメント評価が一瞬でできます。そこから、個人に最適化された施術やトレーニング内容を考えることが可能になると考えています。是非、Sportip Proを用いて適切な姿勢解析を行い、運動療法につなげていきましょう!

足底筋膜炎の運動療法

抽出した問題点に対する運動療法を紹介します。足底筋膜炎におけるリハビリテーションでは、足底筋膜の負担軽減を目的としてアーチを支持するための筋力向上、幹部の緊張緩和やアーチ構造の正常化をするための可動性回復につながるストレッチが必要です。

今回は、Sportip Proでオススメされる筋力トレーニングとストレッチを紹介していきます。

●アーチを支持するための筋力トレーニング

Short Foot ex

目的:足底の筋肉の働きを強化

方法:踵・母指球・小指球を床にしっかりとつけ、地面をつかむようなイメージでアーチをあげます。その後アーチを下げ、繰り返し実施します。

タオルギャザー

目的:足底の筋肉の働きを強化

方法:タオルを床に敷き、足趾を開きタオルに足を置きます。指を丸めタオルを引き寄せます。繰り返し実施しタオルを引き寄せていきます。 

●足底筋膜のストレッチ

ボールマッサージ(足底部)

目的:足裏の筋肉を柔らかくすること

方法:足元に置いたボールを踏み、足の裏で圧迫します。そのまま、ボールを前後に動かします。

足趾ストレッチ

目的:足裏の筋肉を柔らかくすること

方法:片膝立ち姿勢となり、後方の足は床と直角になるように立てます。立てたつま先に体重を乗せ、足底の筋肉を伸ばします。

上記のようなエクササイズを行うことによって、足底筋膜炎に対してアプローチし、生活の質を向上させていきましょう!

採用について

Sportipはヘルスケア・フィットネス・スポーツの運動指導を変革するため、研究開発から複数のサービスを展開していきます。そのためにも、理学療法士を始め、医療現場で活躍している方々の経験やスキルが必要です。自身の臨床経験を生かして、現場で感じた課題意識をもとにプロダクト開発に携わってみたい、動作解析を現場でもっと手軽に使えるようにしたい、という思いのある方を募集しています。
最後になりますが、Sportipに少しでもご興味のある方は下記のリンクからご応募ください。
https://herp.careers/v1/sportip

足底筋膜炎の評価と運動療法

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