熊本県の大津町にあるリハビリセンターSmile-スミレ-大津では、「しっかりと、実感できる運動空間」をコンセプトに理学療法士や生活相談員、インストラクターが各々の特徴を生かしながらご利用者の目標達成に向けてサービスを提供しているリハビリ特化型半日デイサービスです。今回はスポーツインストラクターとして活躍する隈元さんに働く上で大切にしていること、スミレの働くことの魅力についてお話を伺いました。
本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは簡単に隈元さんのご経歴からお伺いしてもよろしいですか?
はい、経歴として一番長いのは、実は全く違う業界で、エステティックサロンでエステティシャンとして働いていたことなんです。
そうなんですね!エステティシャンをどれくらいされていたんですか?
21歳くらいから始めて、結婚して辞めたり、またパートで戻ったりと行ったり来たりしながら、トータルで20年くらいしていました。
エステティシャンとして働く中で、フィットネスジムも兼ね備えたサロンだったので、そこでトレーナーとしても活動するようになりました。
エステティシャンからトレーナーへの変化があったのですね。どのあたりで「トレーナーが自分に合っている」と感じられたのでしょうか?
元々フィットネスダンスが趣味だったこともあり、トレーナーとして人に教えたり、体を動かしたりするうちに「自分にはこっちの方が合っているかも」と思うようになりましたね。
体の動きや筋肉に興味を持ち始め、健康を支えることに惹かれていきました。
なるほど、そこからどういった経緯でEMIASに転職されたのでしょうか?
その後、スポーツクラブで契約社員としてトレーナーをしていましたが、契約の更新が難しくなり、別の職場を探していたときに「介護施設にインストラクター!?」とEMIASの求人に出会ったんです。
周りの人があまりやっていないことに惹かれる性格なので、思わず「面白そう!」と思って応募しました(笑)。
確かに、少し異色のポジションですよね。EMIASに入職してみて、実際にインストラクターを務められてどうでしたか?
正直、思い描いていたインストラクター像とは少し違いました。レッスンだけでなく、利用者さんのマシンの乗り降りのサポートや、さまざまな業務も担当していました。
でも、私は壁にぶつかると逆に「よし、全部できるようになってから辞めてやろう!」と目標を立ててしまう性格なんです(笑)。
最終的に一通りの業務ができるようになった頃には、すっかりやりがいを感じていましたね。
やめるための目標を立てているうちに、やりがいが生まれてしまうんですね。隈元さんらしい発想です(笑)。では、EMIASで利用者さんと接するうえで、特に意識されていることは何でしょうか?
一番大切にしているのは、「自分を作らず飾らず、そのままでいること」ですね。そして、利用者さんに笑顔でいてほしい、楽しんでほしいという気持ちが強いです。
たとえばレッスン中に笑顔がない方がいると、「なんかあったのかな?」と気になってしまって、さりげなく声をかけることも多いです。
隈元さんの気配りや心配りが利用者さんに伝わっているのでしょうね。そういった接し方の姿勢はどこから生まれたのでしょう?
昔から、友人にも家族にも、周りの人には笑顔でいてほしいと思っていて。純粋に「みんなに楽しく過ごしてもらいたい」という気持ちがあるからかもしれませんね。
レッスン中も、「どうしたら笑ってくれるかな」と考えながら工夫してやっています。
本当に素敵な姿勢ですね。そういった利用者さんへの思いがあふれている隈元さんですが、特に印象に残っているエピソードはありますか?
最近では、長年スミレに通ってくださっていた利用者さんが9月に亡くなられたことが、とても印象に残っています。その方はスミレが大好きで、私たちスタッフにもよく飴を差し入れてくださっていて。
お通夜に参列したとき、ご家族がスミレのTシャツを着ている写真をたくさん飾っていらして、「こんなにスミレを好きでいてくれていたんだ」と胸が熱くなりました。
それは本当に深い関わりですね。スミレがその方にとってかけがえのない場所だったことが伝わってきます。
はい。その方は、亡くなられる1週間前まで通ってくださっていました。最後まで入院せず、自分の「その人らしい」人生を全うされたのかなと感じます。EMIASの「その人らしい人生の支援」ができた瞬間だったと思います。
隈元さんにとっても、非常に特別な経験ですね。では、社内でのスタッフとの関わりについてもお聞かせいただけますか?
スタッフ同士の関わりでは「平等」を意識しています。誰か一人だけに肩入れせず、みんなが気持ちよく働けるようにしています。
女子の職場って、どうしても影で言い合ったりする場面もありますが、そういう空気は好きじゃないので、みんなが和やかに働ける環境を大切にしています。
それはご自身の過去の経験からも来ているのでしょうか?
そうですね。エステの職場でも、店舗によってはスタッフ同士の関係がギスギスしていたことがありました。
だから、今の環境では、チームの一体感を大事にして、自分のことは後回しにしてでもチームのために動くようにしています。
チーム全体のことを考えた行動ですね。EMIAS全体の未来について、どのようなビジョンをお持ちですか?
私は「ここでしかできないこと」を追い求めるのが好きなんです。スミレが、他のどこでもない特別な場所として利用者さんにとって大切な場になればと思っています。
素晴らしいビジョンですね。隈元さんの言う「ここでしかできないこと」というのは、具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか?
例えば、利用者さんの「やりたい」という気持ちに徹底的に寄り添うことですね。医療機関ではできないリスクのある挑戦や、少し無理のある目標でも、できる限りのサポートをして「ここでならやれる」と感じてもらえることです。
以前、ある方が「もう一度自分の足で歩いてみたい」と希望されたときも、リハビリを根気よく続けていただき、最終的に歩けるようになりました。
それはまさにEMIASならではのケアですね。利用者さんにとって、ただ支援を受けるだけでなく、自分の「やりたい」を実現する場でもあるんですね。
そうです。年齢や体の状態に関係なく、希望を持って生きるための「ここでならできる」と思えるような場にしたいんです。
もちろん、すべての希望を叶えることは難しいですが、少しでも「やってみたい」「挑戦してみたい」と思える雰囲気を作ることで、利用者さんも日々の生活がより豊かになると信じています。
隈元さんのその思いが利用者さんにも伝わっているのでしょうね。スタッフにもそのような姿勢で接しているのでしょうか?
ええ、スタッフにも同じ姿勢で接しています。自分が目指すものや成し遂げたいことがあるなら、積極的にサポートしたいと考えています。
「ここで自分の可能性を試してみたい」と思えるような職場環境にしていきたいですね。私自身がかつて「自分には無理だ」と思っていたことをEMIASで成し遂げられた経験があるからこそ、スタッフにも挑戦する姿勢を持ってもらいたいです。
スタッフにとっても、挑戦を後押ししてくれる環境はありがたいですね。隈元さんが目指すEMIASの姿が少しずつ形になっているのではないかと感じます。
そうだと嬉しいです。とはいえ、私もまだまだ学ぶことばかりですし、皆で一緒に成長していける環境を作っていきたいです。EMIASはまだまだ発展途上ですが、だからこそ一人ひとりが主役になれる場所だと思っています。
最後に、今後の目標や、EMIASに関わる皆さんに伝えたいメッセージがあれば教えてください。
そうですね。EMIASに関わるすべての人に、ここでしか味わえない経験をしてほしいと思っています。
そして、利用者さんにもスタッフにも、「ここでの挑戦が、人生を豊かにする一助となる」と感じてもらえるような環境を築きたいですね。私たちは支援者としての役割を超えて、一人ひとりの人生の中で特別な存在になれるよう、これからも精一杯努めていきたいです。
隈元さんの熱い思いが、EMIASの未来をさらに明るく照らしていくことでしょう。本日は本当に貴重なお話をありがとうございました!
今回は、EMIASグループのリハビリセンターSmile-スミレ-大津で活躍している隈元さんの日頃考えている「ありたい姿」や追い求めている「ここでしかできないこと」ついてのインタビューをお届けしました。「地域の明日を笑みに変える」をテーマに地域に根付いた活動をしているEMIASグループ。今後もEMIASで活躍するスタッフに聞いてみた「ありたい姿」についての内容を発信していきます。