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世界を見据え、グローバル視点を学ぶ〜フランスの制度と在宅入院とは〜

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皆さんは海外の医療・介護制度はどうなっているの?と気になったことはありませんか?

有料老人ホームの紹介センターで働く相談員 あんしんホームの後藤が【世界を見据え、グローバル目線で革新的なサービスを創出する】といった会社の理念に基づき、今回フランスに実際に行き、医療介護制度、在宅入院などの高機能訪問看護システムの現場を観てきましたきましたので、お伝えいたします。

フランスと日本の人口、高齢化率の違いについて

フランスの人口は6837万人で、高齢者化率は22%となっており、世界13番目に高い比率となっています。

(日本は約1億2488万人 高齢者化率29.3% 日本は第1位)

また、フランスは世界第6位になる移民国で人口の約10%が、移住民数となっています。(日本は約3%)

そのため、日本などと異なり高齢化率のデータも移民などで変動することも特徴です。

フランスと日本の医療制度の違いについて

まず、フランスの医療保険は社会保険制度による国民皆保険(Assurance Maladie)の原則に基づいています。 フランスに住むすべての居住者が加入する義務があり、医療費の一部が国から支払われます。 これにより、一般医療費や処方箋の費用がカバーされています。

※ 日本でも、すべての国民が公的医療保険に加入することになっており、病気のときや事故にあったときの高額な医療費の負担を軽減してくれる医療保険制度があるので、その点は同じかと思います。

フランスでは、医療保険制度は二階建てとなっており、疾病金庫(公的)と民間保険の補足給付により、医療給付はほぼ100%カバーされ、基本的に自己負担はありません。

※日本では、高額療養費制度もあり、民間の保険を利用してない方が約35%いるため、その点はフランスと違う点かと思います。

また、16歳以上の全国民が【かかりつけ医】に登録が義務付けられています。

※かかりつけ医非経由の病院受診の場合、診療代が7割+1ユーロに増えますが、専門病院の受診は可能です。

日本の医療はフリーアクセスのため、自身で行きたい病院を選んでも、どこの病院を受診しても、負担割合が同じです。

フランスと日本の介護制度の違いについて

フランスの公的介護制度は、【個別自律手当制度=介護手当APA】が2002年より、社会扶助制度の一つとして開始しています。

財源は、県の一般財源に加え、全国自律連帯金庫(CNSA)を通じて配分される補助金で運営され、県が給付を行う制度です。

※介護手当APAは、60歳以上の要介護者に給付されます。

APAは、居宅手当と施設手当の2種類あり、要介護認定を入口にして、

居宅手当は、自宅や受け入れ家族の家庭、または施設手当の基準を満たさない高齢者施設に住んでいる場合に給付され、

施設手当は、施設基準を満たす施設に入居した場合に給付されます。

※支給額は6段階に分けられ、要介護等級と本人及び扶養義務者の合計所得により計算されます。

日本でも介護保険制度がありますが、大きな違いとしては、フランスでは介護する家族に対しても、手当てが出ることかと思います。

※日本では介護休業給付金があります。日本は、介護休業終了後に申請し、その後給付されますが、フランスでは介護療養中に手当が出るので、金銭的な問題があっても、在宅介護しやすい環境が整っております。

【在宅入院制度とは?】

初めてきく言葉の方もいらっしゃると思いますが、ずばり病院で入院している時と同様の医療サービスを在宅でも受けられる制度になります。すなわち高機能訪問医療が提供され患者様の自宅(自宅・施設等)において、継続的かつ協調的な医療サービスを提供するシステムとなっております。

年齢を問わず、臨床的・心理社会的に複雑な状況にある患者様を対象としています。

※日本の一般病棟と同等の役割をしています。

一般病棟の入院の場合、1日600~900ユーロ費用がかかりますが、在宅入院の場合236ユーロに抑えられ、国としても在宅入院を推奨しています。

※2024年11月1日 1ユーロ=166円 

また、在宅入院チームとしては、医師・助産師・看護師・医療系介護師・心理士・ソーシャルワーカー・理学療法士・言語聴覚士などとなっており、様々な職種がチーム一丸となって患者様のケアに入ります。

在宅入院の体制が整っているため、急性期医療の平均在院が8.8日とかなり短いのも、フランスの特徴かと思います。(日本は16日)

また驚いたのが、在宅入院されている方専用の巨大な薬剤管理室・運搬専用トラックがあることです。

※規模がかなり大きくAmazonの倉庫みたいでした!

日本では、訪問薬局をご利用する場合、各訪問薬局がご自宅までお薬を届けるかと思いますが、フランスでは、拠点を一箇所に置き、一括で管理、専用の運搬トラックで各ご自宅に届けているそうです。オペレーションが効率化されています。

処方箋を入力すると、機械が自動で箱詰めしているのも、最先端だと感じました。

フランス視察を行い感じたこと

歴史、制度設計を異にするフランス・日本の医療制度を比較するのは難しいことで、どちらが優れているなど簡単に言えませんが、日本の医療制度は、利用者である国民の目線に立てば国民皆保険、フリーアクセス、高額療養費制度など、すばらしい仕組みがあり、現状私達は大変恵まれていると言えるのではないかと思います。

しかし少子高齢化が進行する中では、病気になる人が増え医療費がかさむため、現状のままでは制度を維持していくことが難しい局面にあります。利用者、サービス提供者、国や県、それぞれのバランスをとりながら、海外の事例も参考に、皆が納得できる最適な対応策を見つけることが必要になってきます。

たとえばフリーアクセスを維持しながらかかりつけ医制度の導入、在宅入院制度の仕組み化を図ってきたフランスの事例は大いに参考になりそうですよね。

まだまだ、お話ししたいことがありますが、次回は【フランスの施設と受け入れ家庭について】お届けさせていただきます。

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