皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願いいたします。これまで3回にわたって感覚障害について解説してきましたが、今回は杖の基礎について解説していきます。
杖の基本
杖は歩行が不安定な方の多くが使用し、動作に大きく関与します。1)杖の役割は以下の3点にまとめられます1)。
1.免荷(荷重の軽減)
2.バランスの補助
3.歩行リズムの調整
杖を使うことで生活の幅が広がるなど非常に有効な手段になります。
歩行補助具は杖、クラッチ、歩行器が含まれます2)。厳密にこのように分けられますが、クラッチを含めて、杖と表すものも多いです。本日の解説でもクラッチを含めてお伝えさせていただきます。
単脚杖
単脚杖は握り、柄、先ゴムの3つの構造があります。
握りには様々な種類があり、丸みをおびたステッキ型、T字型、C字型に湾曲したオフセット型があります。またグリップの太さなど異なるため、手の大きさなどで選択する杖も変わります。この辺りは個人の好みも出てきます。
柄に関しては①伸縮タイプ、②折りたたみ伸縮タイプ、③スライド伸縮タイプ、④固定タイプがあります3)。柄は使いやすさの要素が大きく動作には大きな影響はありません。
先ゴムに関しては①吸着型、②吸着可撓性型、③イボ型があります3)。吸着型はゴムの中央が凹んでおり、内側と外周に段座があります。吸着可撓性型は首振りがあるものになります。イボ型は中央が丸く盛り上がっており、先端がイボのようになっています。どれも劣化する問題はありますが、イボ型は滑りやすくなるため、特に注意が必要になります。