週の真ん中の江原です。
前回は、STarT MSKというスクリーニングツールの概要と、STarT back screening tool(SBST)との関係性についてご紹介しました。
今回は、もう一歩踏み込んで、STarT MSKの具体的な使用方法と、日本における運動器理学療法との親和性や、利点と課題について考えてみたいと思います。
STarT MSKの使用方法
STarT MSKは、最も一般的な5つの筋骨格系疾患(背部痛、頚部痛、肩痛、膝痛、多部位痛)の患者を対象とした10項目の自己申告式質問票です。
回答は患者自身または医療者の聞き取りにより実施され、痛みの強さに関する 1 項目と、痛みの影響、対処、機能、障害、併存症に関する 9 項目で構成されています。
各項目に0点(該当しない)または1点(該当する)を計上し、合計スコアにより「低リスク(0–4点)」「中リスク(5–8点)」「高リスク(9–12点)」の三つのリスク層に分類します。
評価は5分程度で完了できる簡単なもので、既存の理学療法評価に組み込むことも可能で、評価後は、リスク層に応じた理学療法アプローチを検討します。