(公社)日本理学療法士協会は、2022年度より運用している現在の生涯学習制度について、2029年度に予定されている「抜本的改定」に向けたロードマップと、それに伴う2026年度・2027年度の段階的な見直し内容を明らかにしました。
今回の改定は、会員の利便性向上と学習機会の拡大を目的としており、費用の無償化や活動期間の延長など、多くの会員に直接メリットがある内容となっています。
1. 登録理学療法士:2026年4月から「更新料無料」と「期間延長」
最も多くの会員が対象となる「登録理学療法士」の更新手続きにおいて、2026年度より大きな変更が加えられます。
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更新手数料(受講費)の無料化:これまで更新時に必要だった研修受講費(2,000円)が無料となります。
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活動期間の延長:ポイント取得などの活動期限が、従来の「最終年度の12月末」から「3月末(年度末)」までへと3ヶ月延長されます。これにより、年度末までの実績が反映されやすくなります。
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ポイント取得の柔軟化:同一コードでの「高いポイント数への上書き」が可能になったほか、日本理学療法学会連合の会員団体が主催する研修もポイント対象に追加されました(一部2025年9月より先行適用)。
2. 認定理学療法士:2027年4月より「論文・発表」の必須要件を削除
キャリア形成において重要な「認定理学療法士」の更新要件が大幅に緩和されます。
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必須要件の撤廃(認定理学療法士のみ):これまで更新に必須であった「学術雑誌への論文投稿」または「学会での筆頭演者としての発表(要件①)」が、認定理学療法士については必須ではなくなります。今後は研修受講などの履修点数(要件②)を積み上げることで更新が可能となります(※専門理学療法士は引き続き要件①が必須です)。
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履修点数(実績)対象の拡大:ブロック誌への論文投稿や、関連団体の学術雑誌の論文査読なども新たに実績(要件②)として認められるようになります。
3. 新人・若手向け:eラーニングの刷新と受講機会の拡大
前期・後期研修についても、質の向上と受けやすさの改善が図られます。
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講義内容のリニューアル:2027年4月より、前期・後期研修のeラーニング講義内容が最新の知見に基づき刷新されます。
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症例検討会の主催拡大:予約が取りにくい状況を改善するため、後期研修(E領域別研修)の症例検討会主催団体に「日本理学療法士協会(本部)」が追加されました(2025年4月より適用)。
【スケジュール早見表】主な変更点
2029年度に予定されている制度の抜本的改定を見据え、以下の通り段階的な見直しが実施されます。
■ 2025年4月〜
- 対象:後期研修
- E領域別研修(事例)の症例検討会において、主催団体に「日本理学療法士協会」が追加されました。
■ 2025年9月〜
- 対象:登録・認定・専門理学療法士
- 同一カリキュラムコードにおける、高いポイント数への「上書き」が可能となりました。
- 日本理学療法学会連合の会員団体が主催する研修会の受講が、更新実績(ポイント/履修点数)として認められます。
- 認定・専門更新において、学会連合の会員団体が主催する研修会での講師・座長経験なども実績に追加されます。
■ 2026年4月〜
- 対象:登録理学療法士
- 更新時研修の受講費が「無料」に変更されます。
- 更新のための活動期間が「3月末(年度末)」まで延長されます。
- カリキュラムコードが新たに14個追加され、全184個となります。
- 対象:認定・専門理学療法士
- ブロック誌への論文投稿や論文査読、都道府県士会承認研修会の講師などが新たに実績として認められます。
■ 2027年4月〜
- 対象:認定理学療法士
- 更新時の必須要件(論文投稿または学会発表)が削除されます。※今後はポイント(履修点数)取得のみでの更新が可能になります。
- 対象:専門理学療法士
- 更新の必須要件の選択肢に「学術大会での講演講師・シンポジスト・パネリスト」が追加されます。
- 対象:前期・後期研修、認定・専門更新
- eラーニングの講義内容が最新の知見に基づきリニューアルされます。
- 対象:登録理学療法士
- 更新未完了者に対する猶予措置の期間(最大2年間)と追加要件が変更されます。
協会は、今回の見直しを2029年度の新制度移行へ向けた経過措置と位置づけています。会員は自身の更新年度を確認し、マイページ等で最新の履修状況を把握することが推奨されます。
※本記事は2026年1月発表の日本理学療法士協会資料に基づき作成しています。詳細は協会の公式サイトをご確認ください。






