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【セルフチェック】療法士の4人に3人が感じている「裏切られた感覚」の正体

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その疲れ、本当にバーンアウトですか

帰りの電車で、ふと考える。

今日も単位数を追いかけて、一人あたり20分で回した。本当はもっと話を聞きたかった患者さんがいた。でも次の予約が詰まっていて、切り上げるしかなかった。

あの患者さん、今日少し元気がなかった気がする。でも確認する時間がなかった。

こういう日が続くと、だんだん何かが削れていく感覚がある。身体は動くし、仕事も回せている。でも、胸の奥に澱のようなものが溜まっていく。

これがバーンアウトだと思っていました。

でも最近の研究は、別のことを示唆しています。この苦しさの正体は、単なる疲労ではないかもしれない。あなたの価値観が、システムによって踏みにじられている痛み。それを研究者は「モラルインジュリー」と呼んでいます。

以前、POSTでは燃え尽き症候群の予防策について紹介しました。今回は、その記事を補完する視点をお伝えします。バーンアウトだと思っていたものが、実は別の問題かもしれないという可能性です。

モラルインジュリーとは何か

モラルインジュリーは、もともと軍事領域で使われていた概念です。兵士が戦場で自分の道徳観に反する行為を目撃したり、加担せざるを得なかったりしたときに負う心理的な傷を指していました。

近年、この概念が医療従事者にも適用されるようになっています。

定義はこうです。「深く信じている道徳的信念に反する行為を行う、目撃する、あるいは防げなかったときに生じる傷」。医療者にとっての道徳的信念とは、患者を第一に考えるという誓いそのものです。

バーンアウトとの違い

バーンアウトとモラルインジュリーは、似ているようで本質が異なります。2019年に医師のWendy Deanらが提唱した批判的フレーミングでは、この違いを次のように整理しています。

バーンアウト(従来の捉え方)

問題の所在:個人の内側

主な症状:疲弊、消耗、シニシズム

暗黙の前提:本人のレジリエンス不足

解決策の方向:セルフケア、休息

モラルインジュリー

問題の所在:システムの外側

主な症状:罪悪感、恥、怒り、裏切られた感覚

暗黙の前提:価値観とシステムの衝突

解決策の方向:システムの変革、意味の再構築

この区別が重要なのは、処方箋が変わるからです。バーンアウトであれば、休息やセルフケアで回復できるかもしれない。しかしモラルインジュリーの場合、いくら休んでも根本は解決しません。自分のせいだと思い込んで、さらに自分を追い詰めることにすらなりかねません。

なお、研究ではバーンアウトとモラルインジュリーには中程度の相関が報告されており、両方を同時に経験している人も少なくありません。

自分の状態を見分けるヒント

疲れ切っていて、休めば少し回復する
→ バーンアウトが中心の可能性

休んでも気持ちが晴れない。怒りや罪悪感が消えない
→ モラルインジュリーの可能性

両方ある
→ 併存している可能性。どちらか一方だけの対策では不十分かもしれない

数字で見る実態

2024年にScientific Reports誌に掲載された縦断研究は、モラルインジュリーと離職・バーンアウトの関連を明らかにしました。米国の医療従事者473名を1年間追跡した結果です。

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組織への裏切り感PMIE曝露

76.6%

医療機関や公衆衛生組織に裏切られたと感じた経験

解釈:4人に3人が経験

Usset et al., 2024

道徳的侵害の目撃PMIE曝露

41.4%

自分の道徳観に反する出来事を目撃した経験

解釈:職場で起きている

Usset et al., 2024

離職意向の増加リスク

66%増

PMIEを目撃した人の1年後の離職意向

解釈:相対リスク1.66倍

Usset et al., 2024

バーンアウトの増加リスク

38%増

PMIEに加担した人の1年後のバーンアウト

解釈:相対リスク1.38倍

Usset et al., 2024

PMIEとは「Potentially Morally Injurious Events」、道徳的に有害な可能性のある出来事の略です。

注目すべきは、「目撃」と「加担」で影響が異なる点です。道徳的侵害を目撃した人は離職意向が高まり、加担せざるを得なかった人はバーンアウトが増加する。つまり、見ているだけでも傷つくし、関わればさらに深刻な消耗につながります。

理学療法士を対象とした研究

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