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トレーニングジムで働く理学療法士 【Green Field 代表|一水 孝志先生】

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▶︎ 【2018年6月開催】異なるフィットネスジムで働く理学療法士3人による対談のお知らせ

 

医療保険制度での限界

ー 理学療法士になられたきっかけはなんだったのでしょうか?

一水先生: 元々はスポーツのリハビリに関わるとか全然思っていませんでした。PTになってから、勉強したことがスポーツに役に立つという事を実感しました。地元の高校でストレッチ教室等をさせてもらっていたときに、トレーナーになろうと思って、社会人一年目の時からもそういう活動はしていました。病院に掛け合って、教育委員会を通して学校にストレッチや障害の理論、対処法などを教えに行かせてもらったりしていました。

 

というのは、病院に来るようになってしまった選手をどうこうしようっていうのではなくて、病院に来なくていいようにするにはどうするべきかってことを考えていたので。メディカルサポートチームを病院でも作って、医師やPT、薬剤師、看護師、レントゲン技師も含めて、選手のメディカルチェックからさせてもらいました。


田舎だったからそういうこともやりやすかったというのはあったかもしれません。

 

ー チームに帯同するようになったのは?

一水先生:バレーボールのチームに帯同するようになったのは、26歳の時です。ATの資格を取ったのがその年で、ちょうど、あるプレミアリーグのチームのトレーナーがいなくなるときに声をかけていただきました。



それから、いくつかチームに帯同したり、コンディショニングに携わったりしていたのですが、チームの人を自分の所に来てもらってトレーニングなどが出来るところがあるといいなと思いこの施設をオープンしました。



スポーツ選手に対して、トレーニングからリハビリまで一貫して教えられる場所はなかなか少ないですよね。医療だとリハビリからアスレティックリハビリテーションという保険のきく狭い範囲でしかできないので、リハビリが終わったらチームに返されることが多いと思います。だったら、日本の医療保険制度に縛られない、最初から自費で通える施設が必要なのではないかと思って、今の施設を作ろうと思いました。

 

ー 日本のバレーボールチームにおけるメディカルサポートの現状は?

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一水先生:メディカルで入っている方は、鍼灸師や柔道整復師が多いですね。理学療法士が関わっているのは8チーム中3チームくらいでまだまだ少ないです。Jリーグやプロ野球では理学療法士は割といると思いますが、その他の種目は理学療法士の関わりが少ないと思いますね。

 

ー こちら(Green Field )には、どのような形でクライアントさんがいらっしゃるんですか?

一水先生:近くのクリニックと連携をとったりしています。例えば、腰痛の患者さんがいたとして、手術適応であるならば紹介する。そこで、MRI等の検査をしてもらったり、治療をして、それからある程度治ってきたときにまだ運動を継続したいという人はこちらの施設を紹介してもらったりしています。あとは、パーソナルトレーニング施設なので、パーソナルトレーニングを受けたいっていう方は、直接、当施設に来てもらっています。

 

触って治すということはしない

 

ー ここでは理学療法士としてどういったことをしているんですか?

 

一水先生:まずアセスメントを行います。なぜここに来たのか、その方の目標や目的を詳しく聞いていきます。そして、その目的を達成するために何が必要か考えていきます。



目的を達成するには二つ方法があって、一つは体組成として筋肉量や体脂肪が必要量あるかどうか量って、その後に動作評価をします。その中で動きの癖を見つけて、クライアントと話してその癖が目的達成の妨げになっているのであれば、修正していく。その修正していく作業がエクササイズですね。それで2時間くらいかかります。その後、週1~2回くらいのペースで来ていただいています。



私は、ほとんどクライアントの身体を触って治すということはしないんです。動作評価をしっかりして、適切なエクササイズを教えてあげれば、あとは徒手療法を使わないでも、身体は良くなっていきます。クライアントが、自分自身で身体のケアをすることが大事ですし、「運動をすると気持ちいいし良くなるんだ」と理解してもらえれば、あとは私が介入しないで通ってもらえるようになります。

 

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PTにしかできない仕事はない。

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一水先生:スポーツの分野で関わろうとしている人たちってPTに限らず、すごく多いです。2020年に東京オリンピックもありますし。そういう人達はものすごく勉強しているので、PTとしてのアドバンテージが少なくなってきていると思います。以前は、解剖学や運動学の知識があったり、リハビリができるというのがPTの売りだったと思いますが、それはもうひと昔前の話です。



今は他の職種の方々も勉強していますし、PTの中でスポーツ分野があまり浸透していないので、他職種の方々の方が有利かもしれないですね。PTしかできない仕事って今ないですよね。



あと、一番危惧しないといけないのは、PTがボランティアでスポーツの現場に行くというのは、気を付けなければなりません。一技術のある方々がお金をもらっていて、もう一方で一年目の方が勉強のためにボランティアでやっているとなると、監督さんからすれば、お金のかからない方を選びますよね。



勉強の為、楽しいからといってトレーナーをしているとそこに責任は生まれません。お金を払うことでそこに責任が生まれます。将来、トレーナーという「仕事」をしたいのであれば少しでもお金をもらって責任のあるトレーナーになるべきです。

 

ー 先生にとってプロフェッショナルとは

 

一水先生:自分が常に「知っている知識の中でしか動いてない」っていうことを認識している人だと思います。

 

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一水孝志先生経歴

資格:

・理学療法士(国家資格)
・日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)
・Functional Movement Systems Certified FMS Lv2
・National Academy of Sports Medicine公認パフォーマンス向上スペシャリスト(NASM-PES)
・全米公認ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
・ViPRライセンス認定コース修了インストラクター
・TRX®Suspension Training Course(STC)修了インストラクター
 

指導実績:


・Vチャレンジリーグ 柏エンゼルクロス アスレティックトレーナー(2012〜現職)
・東京女子体育大学6人制バレーボール部 アスレティックトレーナー(2015〜現職)
・国体大分県代表少年男子6人制バレー(2006~2008)
・大分県立大分工業高等学校男子バレー部(2006~2008,07'インターハイ準優勝)
・国体大分県代表軟式野球(2007~2008)
・国体大分県代表成年男子6人制バレー(2010~2011)
・大分県立大分情報科学高等学校女子ハンドボール部(2010~2012)
・Vプレミアリーグ大分ヴァイセアドラー アスレティックトレーナー(2010~2012)
・鈴木慶やすらぎクリニック アスレティックトレーナーおよび理学療法士(2013-2015)

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