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【論文紹介 第4回】キャリアに関する情報収集源ではSNSをほとんど活用していない

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本研究は理学療法士養成校の学生を対象としたキャリア調査研究である.第4回ではキャリアに関する情報収集源について結果を紹介する.

ポイント

・キャリアに関する情報収集源は,「インターネット」が最も多く,次いで「教員」,「友人・知人・先輩」の順であった.

・ソーシャルネットワーキングサービス(以下,SNS)の活用に関しては,学生全体で「YouTube」が13.9%,「Instagram」が12.2%,「Twitter(現X)」が9.2%,「Facebook」が0.8%の順であり,全体的に少ない傾向であった.

本研究成果は2024年2月15日,「日本リハビリテーション教育学会誌」にオンライン掲載されました.

研究の背景および研究内容(第1回目の記事同様のため省略)

PT養成校学生は特に将来の経済面に不安があり、将来の希望年収は平均年収以上であった

結果(第4回ではキャリアに関する情報収集源のみ)

 キャリアに関する情報収集源では,全体で「インターネット」が77.7%,次いで「教員」が45.4%,「友人・知人・先輩」が35.3%の順であった.SNSでは,「YouTube」が13.9%,「Instagram」が12.2%,「Twitter(現X)」が9.2%,「Facebook」が0.8%の順であり,少ない傾向であった.性別間では,χ²独立性の検定後,調整済み残差にて女性より男性に「YouTube」の活用が多かった(p<0.01).学年間では,χ²独立性の検定後,調整済み残差にて「教員」の活用は1年生が少なく,3年生が多かった(p<0.01).「説明会」の活用は2年生が少なかった(p<0.05).「Twitter(現X)」の活用は3年生が少なく,1年生が多かった(p<0.01)(表1).

 

 

 

今後の展望

 本研究では,キャリアに関する情報収集源はSNSではなく,「インターネット」を中心に,「教員」や「友人・知人・先輩」を活用していることが示唆された.今後は現職者を対象とし,キャリアに影響を与えた情報収集源などを調査し,学生達への適切なキャリア教育に活用していく必要があると考える.

掲載誌情報

【発表雑誌】日本リハビリテーション教育学会誌

【論文名】私立大学の理学療法士養成校学生におけるキャリア意識の実態調査

【著者】稲垣郁哉1)、山口和人1)、堀本ゆかり2)

1)日本医療科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻

2)国際医療福祉大学大学院 医療福祉教育・管理分野

掲載URL:https://rehaac.org/pdf/nihonreha/2024_nihonriha_vol7_no1.pdf

注)プレスリリースで紹介している論文の多くは、単純論文による最新の実験や分析等の成果報告に過ぎました。 さらに研究や実験を進める必要があります。十分に配慮するようにしてください。

【目次】

第1回:PT養成校学生は特に将来の経済面に不安があり、将来の希望年収は平均年収以上であった

第2回:PT養成校学生が考える認定・専門理学療法士や修士・博士の必要性とは

第3回:起業や兼業に興味ある学生は2〜3割程度おり、パーソナルジムに興味ある傾向

第4回:キャリアに関する情報収集源ではSNSをほとんど活用していない

【論文紹介 第4回】キャリアに関する情報収集源ではSNSをほとんど活用していない

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