いまの理学療法士界の課題
医師からの大きな期待
ですが、医師との距離が近かったと思います。
医師も理学療法士は何ができる職種なのかわからないけれど、とにかく期待してくれていました。
看護師ではないが、医師を支えてくれる専門職が入ってきた。鍛えれば、大きな戦力になるじゃないかという感じでしたね。
「責任を取るから何でもやれそうなことを言ってくれ」って言われて、いろいろやらせてもらいました。その距離感が良かった。
いまは、若い理学療法士が急激に増えて、先輩に聞いても先輩自身が悩んでいることが多かったりして、後輩を指導した経験がないと難しいですよね。そこが今の課題になっていると思います。
勉強会があり過ぎて
各地で同時期に研修会が開催されていると、こっちも出たいがあっちも出たいとなってしまうため、ある程度整理する体制があると研修に参加しやすいのかなと思いますね。
職場内や施設を超えたネットワークや流れを作ることも重要です。士会や協会でも管理者のマネジメント能力を高めるような管理者研修会も行っています。
地域包括ケアシステムの構築や災害時支援のためにも、地域のネットワークを作ることも大事です。
理学療法士の未来は?
20分1単位で計算される理学療法士ではなく、病棟をマネジメントする理学療法士が必要となれば、職域が広がります。
ただ、そもそも人口がどんどん減少していきますので、今よりも回復期での人数は少なくなると思います。
そこで地域に出て活躍する必要性が出てきます。
地域包括支援センターに理学療法士が必須となれば、道内でも300近くの包括支援センターがありますから(実際は、これでは足りないと言われていますが)、働く場所は広がります。
北海道では「リハビリテーションを考える議員懇談会」を、連盟を通じて立ち上げてもらい、道議会議員の方たちとの地域リハビリテーションの勉強会や情報交換も始めています。
(インタビュアー:今井、記事編集・写真:山下)
*目次
【第1回】呼吸のトラブルの原因として・・
【第2回】実習での失敗談
【第3回】北海道士会はここが違う!
【第4回】理学療法士のいまと未来
【第5回】地域で活躍するには◯◯を身につけるべし
【第6回】理学療法士と政治
太田 誠先生経歴
経歴:
学校法人日本医療大学 専門学校日本福祉リハビリテーション学院 学院長
公益社団法人 北海道理学療法士会 会長