理学療法士と政治
民意を示す証は国会議員がいること
それでも我々の意見を国政に反映できるようにして行かなければ、国民も理学療法士も多くの不利益を被ることになります。 私は、士会長が連盟会長を兼務することが理想と考えていましたので、前連盟会長から会長職のバトンを引き継ぎました。
右手に士会長の、左手に連盟会長のバトンを持っています。医師会や看護協会などを見ても兼務していますよね。 みなさん、時と場所によって立場を使い分けています。
また、そのようにしていかないと本来の職能団体としての力が発揮しきれない場面があります。 学術団体だけではなく、そもそも職能団体なので、そこも使わなければ組織として動くときの幅が狭くなくなります。
全国の理学療法士会で兼務しているのは、今のところ私だけなので広がってほしいと思っています。 民意を持っていない1職能団体のエゴで法律や診療報酬は変えられません。民意を示す証は国会議員がいることです。
自分たちのためでもありますが、我々は身体に障害のある方たちの治療者として理学療法士をしているわけです。
また、予防という視点でも地域の中で理学療法を行っていますが、法律が足かせになって地域住民が困っているのであれば法律を変えていかなければなりません。
そのために立法府をしっかりと使うのが当たり前です。医業の中で我々は働いているわけですから、医師の指示のもとに理学療法を行うことは当然です。
医業の中で開業出来るのは医師のみです。ただ、職域は広げていかなければなりません。
プロフェッショナルとは
我々は障害のある人に対して如何に障害を克服できるかという仕事をしていますよね。患者さんが今何を求めているのか常に共感できるかというところが大事だと思います。
知識や技術を高めることはもちろんですが、患者さんと想いを共有できるか。患者さんの求めていることに対してその時の環境も尊重して何をプラスしてあげられるか。
それが出来る能力ではないかなと思います。
おすすめ書籍
太田先生コメント>>>筆者が昭和10年代に師範学校の講師として教授した時の講義録をまとめているものです。推薦の言葉に「生きるための原理原則を考え直し、・・・」とあるのですが、まさに人生の意味、学ぶことの意義、読書の重要性など、今、日本人が忘れかけているとても大切なことが書かれています。
時々、読み返しています。心にすとんと落ちてくる言葉ばかりです。いろいろな意味で気づかされ、視野を広くしてくれる本だと思います。
(インタビュアー:今井、記事編集・写真:山下)
*目次
【第1回】呼吸のトラブルの原因として・・
【第2回】実習での失敗談
【第3回】北海道士会はここが違う!
【第4回】理学療法士のいまと未来
【第5回】地域で活躍するには◯◯を身につけるべし
【第6回】理学療法士と政治
太田 誠先生経歴
経歴:
学校法人日本医療大学 専門学校日本福祉リハビリテーション学院 学院長
公益社団法人 北海道理学療法士会 会長