単語ひとつにしても、相手の人生歴や生活歴を意識し配慮する
現場で患者さん相手に飛び交う単語。意識したことはありますか?
いや、言葉の丁寧さとかではありません。
その単語は、相手の理解しやすいものですか?ということです。
例えばこんなことありませんか?
--90歳を越える超高齢者の歩行訓練で、スタート!やストップ!という言葉を当たり前に使っていること--
結果、伝わっておらず何回も「○○さん!ストップ!ストップ!」と大声でいいながら、手で動作を止めてしまうこと。それに対するアセスメントを、難聴や認知症で片づけていること。スタートやストップが、日常で使われる単語であり、通じて当たり前と思っているのは、私たちの世代の常識かもしれませんよ、ということです。
他にもこんな事例があります。
--あまり運動習慣がない女性高齢者に「腹筋しましょうか」と伝えたら、お尻上げを始めた--
--都市部から、地方に就職した新人が高齢者に「あんた、何で来たの?」と問われ「JRです!」と答え、高齢者が「は?」となってしまった--
これは、一部のことなのでしょうか?まれな事例でしょうか?
そんな事は、物事の本質ではありません。
相手の人生歴、生活歴を理解するように心がけることが重要であり、それに配慮できるか?ということです。
私は、地方におりますので、現地の方言や”なまり”で患者さんに語りかけることも、しばしばあります。
これが、かしこまった言葉であったら、患者さんたちが距離感を感じてしまう。という地域特性に配慮したものです。※ここらへんは病院やトップの方針にもよります。
どうすれば、相手とのコミュニケーションが円滑にとれるのか?
時代や言葉の違いをすり合わせて、相手の人生を尊重した声掛けをしたいものです。
- *セラピストのためのマナー講座 目次
- 【第1回】マナーの基本とは?
- 【第2回】相手の時間の使い方
- 【第3回】相手の人生歴や生活歴を考慮する
文責
POST編集部(国家試験対策責任者):野田卓也RPT