第180回 株式会社gene代表取締役 理学療法士 張本 浩平先生 no.1

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いざ「gene」開設へ

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インタビュアー:セミナー事業を始めたきっかけを教えてください

張本先生:私は平成12年から株式会社ジェネラスという会社に勤め、その会社で一生を終えるものだと思っていました。しかし、ある時、訪問で担当している小児の利用者さんが、ヘルパーさんの食事介助中、窒息して亡くなりました。

 

そしてその時から「自分が何かできたのではないのか」という思いから逃れられなくなっていました。

 

これまでは、高齢者がお亡くなりになることに、自分の中で折り合いがつけられるようになっていました。しかし、「自分より年齢の若い子が亡くなる」ということに関しては受け入れられないままです。

 

その時にジェネラスの小山社長(理学療法士)へ、上司として、人生の先輩として「悲しいのに涙が出ないのはなぜでしょうか?」と相談させてもらったことは、すごく感謝しています

 

それ以外にも小山社長からかけられた言葉は今でも心に残っています。例えば、「訪問しているお家にいる時は、真剣にその時間、相手のことを考えなさい」

 

「家から1歩出たらちゃんと切り替えなさい」や「私たちは家族じゃないけどね、できることは沢山あるよね」と、よく言われていました。

 

確かに若いころは「利用者さんのことを常に考えたい」「利用者さんのために」と思いがちです。ただ、それは、どこか独りよがりで独善的なニュアンスもあり、それをずっと引きずってはダメだと思います。

 

そういったプロフェッショナルスタイルも学びましたし、人と向き合うことの大切さなどを学びました。

 

なぜセミナー事業をはじめたか

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張本先生:そこでなぜ、セミナー事業につながるのか? という点についてお話しします。私は、ジェネラスで研究開発部門を兼務しており、教育の一環で社内勉強会の開催を企画していました。しかし、講師を呼ぶとなると、お金がかかります。

 

ですから、講師を呼び、さらに外部から受講生を募ればいいのだ、という結論に至りました。それがもともとジェネラスで行っていたセミナーです。

 

今では、セミナーという手段を使い、窒息のリスクや自分が経験した事を世の中に広める事が出来れば、若くして亡くなった子と過ごした意味があったのかなと思っています。

 

これは、美談ではなく、自分自身が、罪悪感から逃れたいが為のものです。ですから、僕の起業は起業したくてしたわけではなく、逃避だったんです。

 

もともと起業するつもりはありませんでした。人が起業したいと相談に来ても、『止めといたら』としかいいません。

 

名前の由来は?

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インタビュアー:“gene”という社名は、どのように名付けたのですか?

張本先生:ジェネラスの小山社長の想いをうまく引き継げているかわかりませんが、geneと言う社名にして良かったなと思います。geneという名前はこれ以上ない良いネーミングだと思っています。

 

ジェネラス(generous)の最初の4文字を頂いて、geneとしました。geneは遺伝子と言う意味があるので、ジェネラスからの遺伝子を引き継いでいると言う意味でこの社名にしました。

 

想いを引き継いで、地域に貢献したいと思っておりますし、geneから、独立した人も3人ほどいます。

 

それぞれの企業が地域で貢献し遺伝子を引き継いでいると思っております。

 

会社を始めてからネーミングにはこだわりを持つようになりました。名前が全てだと思っています。弊社の介護保険事業所(訪問看護ステーション・通所介護事業所)では「仁」という名前つけています。

 

利用者さんに名前の相談をした時、仁という漢字を見て「人が二人でいいね」と言ってくれたんです。「人間」は人が二つあって、その間と書きますよね。

 

「人間」は社会的な関係性も含まれた言葉なんです。

 

「人間」という捉え方をした時に、リハビリテーションは「全人間的復権」である、と。ではその次の問いは何かと言うと、「人間とは何か?」ということになってきます。

 

*目次

【第1回】いざ「gene」開設へ

【第2回】社長として社員へ伝えていること

【第3回】セミナーの値段設定は適切か?

【第4回】理学療法とリハビリテーションは違う

geneセミナー案内

生活期リハビリテーションにおける 運動療法のリスクヘッジとリスクマネジメント~名古屋会場~
日 時:2016 年 5 月 22 日(日) 10:00~16:00(受付 9:30~)
会 場:名古屋国際会議場 2 号館 2 階 会議室 222+223(愛知県名古屋市熱田区熱田西町 1-1)

講 師:大森豊先生(有限会社 訪問看護リハビリテーションネットワーク 代表取締役・理学療法士)

受講料:12,500 円(税込)

 

リハスタッフのための薬剤の基礎知識~東京会場~

日 時:2016 年 5 月 29 日(日) 10:00~16:00(受付 9:30~)
会 場:明治薬科大学 剛堂会館 1 階 第 2 会議室(東京都千代田区紀尾井町 3-27)

講 師:田宮 真一 先生(名古屋第二赤十字病院・薬剤師)

受講料:12,500 円(税込)

 

脳卒中・心疾患の予防・再発予防のための糖尿病リハビリテーション~東京会場~

日 時:2016 年 6 月 11 日(土) 10:00~16:00(受付 9:30~)
会 場:株式会社 日本印刷会館 2 階会議室(東京都中央区新富 1 丁目 16 番 8 号)

講 師:松本 大輔 先生(畿央大学 ヘルスプロモーションセンター・畿央大学 健康科学部 理学療法学科 助教・理学療法士)

受講料:12,500 円(税込)

 

バイオメカニクスからみた運動連鎖とその治療への適用~東京会場~

日 時:2016 年 6 月 12 日(日) 10:00~16:00(受付 9:30 ~) 会 場:株式会社 ヤクルト本社ビル(ヤクルトホール) 2 階 ホール(東京都港区東新橋 1-1-19)

講 師:石井 慎一郎 先生(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 リハビリテーション学科 教授・理学療法士)

受講料:12,500 円(税込)

 

 

 

【張本先生のセミナー】

◆生活期・低 ADL・寝たきりの方のゴール設定 ~リハビリテーション専門職が考えるべきこと~ いずれも受講料:12,500 円(税込)    

張本浩平先生 経歴

名古屋大学医学部保健学科卒

株式会社ジェネラス(愛知県名古屋市)にて、訪問リハビリ業務に従事

平成19年より株式会社geneを立ち上げ、現在は従業員数100名にて、セミナー事業・介護保険事業・出版事業などを行っている。

従業員100名のうち、理学療法士25名、作業療法士4名、言語聴覚士4名、看護師、12名在籍している。

現在は、セミナー事業を全国に年間300回、20,000人の専門職が受講している。

介護保険事業では、訪問看護ステーションを2箇所、通所介護を2箇所の運営をしており、

出版部門では雑誌『訪問リハビリテーション』やMOOKなどを発行また、名古屋大学にて地域理学療法学などの講義を担当している。

専門は、訪問リハビリテーションに関わる制度論および介護保険領域・生活期におけるゴール設定、リハスタッフのマネジメントである。

 

【役職】

   

NPO愛知県理学療法学会財務部長

名古屋大学医学部保健学科地域理学療法学講師

名古屋大学大学院医学系研究科THPコース講師

 

【法人概要】

株式会社gene

 

本社 名古屋市北区

セミナー出版事業部門

 

【訪問看護事業部門】

 

訪問看護ステーション 仁 春日井

訪問看護ステーション 仁 岡崎

 

【通所介護事業部門】

リハビリテーション デイサービス 仁 春日井

リハビリテーション デイサービス 仁 勝川

 

【法人管理部門】

グループ企業

合同会社iLIFE 岐阜県瑞浪市・・・訪問看護ステーション 仁 瑞浪

合同会社LOVING LOOK 愛知県岡崎市・・・こども訪問看護ステーション 仁 岡崎

 

第180回 株式会社gene代表取締役 理学療法士 張本 浩平先生 no.1

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