誤嚥性肺炎の方に対する有効なトレーニング法
ー 誤嚥性肺炎で入退院を繰り返す方が多くいらっしゃいます。何か良いアプローチはありますか?
宮川先生:死因の多くを占める肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎になるのは嚥下機能の障害と咳です。
誤嚥しても咳で出せれば大丈夫なんです。また、呼吸と嚥下の同調についても、研究しています。通常の嚥下した後は呼気です。誤嚥する方は息を吸って嚥下してまた吸ってしまうんです。だから気管に入ってしまう。
また、パーキンソン病の方はほぼ誤嚥性肺炎で亡くなられます。ドーパミンが分泌されないので嚥下障害と同時に咳の障害が起きます。一つの有効なトレーニング法として、電気刺激があります。
舌骨上筋群に電気刺激すると喉頭が挙上します。電気刺激の方が通常の嚥下訓練よりも良いというメタ分析があります。ただ、電気刺激を表在から行うと舌骨下筋群にあたるので喉頭が下制してしまいます。
電磁波では確実に舌骨上筋群に当たりますので、電気刺激よりも有効です。電気刺激はCOPDやICU関連筋力低下にも応用されていて、サルコペニアで筋肉がつかない方には電気刺激を用いてトレーニングされていますね。今後は筋肉がとても重要なポイントになると思います。
呼吸リハビリの課題
ー 呼吸リハの分野でまだ不足している点や問題点はありますか?
宮川先生:呼吸リハはある程度認知されてガイドラインが整い、エビデンスも十分、出来てきました。しかし、実際にそれを実施されていることが非常に少ないと言われています。
呼吸リハの論文も、呼吸器関係の雑誌には載っているんですが、理学療法士の雑誌などには報告が少ないのが現状です。今まで呼吸リハで運動耐容能をあげると健康関連QOLも良くなると言われていたんですが、運動耐容能をあげても身体活動量をあげないと有効ではないという事が言われるようになってきました。
そのため、身体活動量をいかにあげるかというのが課題になっています。慢性期の方は運動耐容能を、あげて身体活動量をあげて生命予後を改善するというところですね。
ー 身体活動量をあげるというのは患者さんの意欲の影響も大きく関わりますね。
宮川先生:そうなんです。心理社会的な介入を行っても数ヶ月は続いても長くは続きません。克服感の強い方は改善すると言われ、筋力(末梢)を改善するには3ヶ月、頭(身体活動量の習慣)を変えるには6ヶ月必要と報告されています。
いかに継続させるか。それが生命予後に関係しています。すごく動いていると長生きできるというデータがありますが、ただすごく動いても途中でやめてしまうと生命予後は元に戻ってしまいます。
ー 先生にとってプロフェッショナルとはなんですか?
宮川先生:プロフェスとは 患者さんに‘誓うこと’を意味します。専門職としてあなたに誓って最高の医療を施します。
自分の持っている最高の技術をその人に保障してあげなきゃいけないですよね。だから絶えず勉強して新しい知識と技術を持っておかなければなりません。
私の座右の銘です。
Ask not what your profession can do for you;
Ask what you can do for your profession. John F Kennedy
宮川哲夫先生の講習会のお知らせ
呼吸理学療法の対象疾患は、急性呼吸不全から慢性呼吸不全、新生児から老人、内科系から外科系、救急ICUから在宅まで多岐にわたります。また、呼吸理学療法の治療内容は、リラクセーション、呼吸練習、呼吸筋トレーニング、気道クリアランス法、運動療法に大別できます。それぞれの疾患や治療における呼吸理学療法や呼吸ケアの最新の知見について、小生の臨床経験も踏まえお話したいと思います。また、臨床で困っている症例があれば何でもご相談ください。
日時:2018年9月2日(日)10:00〜16:00(昼一時間休憩)
場所:株式会社ルネサンス両国本社
JR総武線 両国駅より徒歩2分
都営大江戸線 両国駅より徒歩8分
募集人数:40名
受講費:
POSTアカデミア会員 0円
プレミアム会員 9000円(税込)
無料会員 10,800円(税込)
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宮川哲夫先生経歴
ハワイ大学呼吸療法学科卒業 昭和大学保健医療学部理学療法学科教授
NPO日本呼吸ケアネットワーク(JRCN)理事長
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会代議員・監事
日本呼吸療法医学会代議員
米国呼吸ケア学会(AARC)国際委員会日本代議員
アジア・太平洋呼吸ケア学会(APARC)理事
■主な書籍
他多数。