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腕橈骨筋を正しく図で理解しよう。

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前腕の筋は非常に複雑です。一気に覚えようとしてもなかなか難しく、重なり合っているためイメージしにくい筋肉です。図を使って、一つずつ配置を理解しましょう。

腕橈骨筋はこんな筋肉

まずは基本的な知識から学んでいきましょう。

起始

上腕骨外側顆上稜、外側筋間中隔

停止 橈骨茎状突起
支配神経 橈骨神経
髄節 C5ーC6
作用

肘関節屈曲(回内位)

前腕回内(回外位→中間位)

前腕回外(回内位→中間位)

英語

Brachioradialis muscle(略:BrRM)

 

腕橈骨筋は肘関節周囲の中でも最長の筋であり、上腕骨外側顆上縁近位から橈骨茎状突起に付着しています。腕橈骨筋の特徴としては作用が少し複雑なことです。前腕中間位では屈曲に作用します。また前腕の回内、回外作用もありますが、これは中間位から回外、回内を行うのではなく、回内位、回外位から中間位に戻す作用があります。

 

これは筋肉の走行をみるとわかりやすいので走行を見ながら確認しましょう。

 また、腕橈骨筋は重いものを持つときに力を発揮する筋というよりは肘を速く動かすときに使われる筋です。速筋と遅筋の割合をみても速筋の方が多いと言われています。

 

前腕の断面図から筋、神経の位置を把握しよう

 実はここでも特徴があります。支配神経である橈骨神経は実は腕橈骨筋の真下を通っています。

腕橈骨筋が原因となる弊害

〇機能障害を起こすと、、

腕橈骨筋は機能障害を起こすと前腕中間位でも肘関節屈曲ができなくなります。これは上腕骨骨幹部骨折などで橈骨神経麻痺になると下垂手と同様に見られる特徴的な症状です。

上腕筋や上腕二頭筋などは使えるので中間位であげようとすると回内位をとって代償を行うようなものも見られたりします。

 

〇腕の骨折後の腕橈骨筋の拘縮

前腕の骨の骨折、肘の脱臼など三角巾などで固定されていた場合、腕橈骨筋は拘縮を起こしやすい筋肉です。三角巾の固定の腕の肢位から考えていきましょう。

三角巾で吊るされていると考える場合、肩関節内旋位、肘関節屈曲、前腕中間位、手関節尺屈位になります。

 

腕橈骨筋は肘関節屈曲筋であるため、肘関節伸展制限を引き起こします。他にも上腕筋などにも拘縮はおきますが、腕橈骨筋にも注目してみるのもいいかもしれません。

 

〇実は間違えやすいテニス肘

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は外側上顆付近に付着する筋の付着部炎です。長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋はよく原因になりますが、腕橈骨筋はなりません。なぜでしょう。

理由は2つあります。

1つ目は付着節炎になる受傷起点のポジションでは筋が働かないこと。手指伸筋腱が付着部症になりますが、腕橈骨筋は肘屈筋になります。

 

2つ目は手指に働く筋ではないことが挙げられます。テニス肘は手指をよく使う場合に起こるので理解しておきましょう。

 

腕橈骨筋のストレッチ

正座して手をついて行うストレッチです。

前腕回内位、手関節背屈で行います。その状態で後ろに体を持ってきましょう。

 

いかがでしたか。腕橈骨筋は大きな筋肉ではないので、スポットライトは当たりにくいですが、細かい動きには必要な大切な筋肉です。

腕橈骨筋を正しく図で理解しよう。

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