腓腹筋は気づかないところでよく使う筋肉!
まずは基本的なものから学んでいきましょう。
起始 |
外側頭:大腿骨外側上顆 内側頭:大腿骨内側上顆 |
停止 | 外側頭、内側頭:踵骨隆起 |
支配神経 | 脛骨神経 |
髄節 | S1ー2 |
作用 |
外側頭:膝関節屈曲、脛骨外旋、足関節底屈 内側頭:膝関節屈曲、脛骨内旋、足関節底屈 |
英語 |
Gastrocnemius muscle(略:GM) |
では1つ1つ筋肉の走行を確認しながら覚えていきましょう。
最初は腓腹筋内側頭です。下腿を後ろから見て内側にあって最も表面にある筋です。大腿骨内側上顆から起始し膝関節の後内側を通過しアキレス腱へと繋がり、踵骨隆起に付着します。
最近の研究では起始は内側上顆だけでなく、その付近の筋膜からも付着していると言われています。外側頭と比べると、内側頭の方が大きく、長いと言われています。
次はその内側頭の隣にある腓腹筋外側頭です。内側とは逆に大腿骨外側上顆起始して膝関節の後外側を通り、アキレス腱に付着します。外側頭も内側頭と同様に最近の研究で筋膜からも付着していると言われています。外側頭の方が短く、小さいと言われています。
また、離れていると思われがちなヒラメ筋とは、実はしっかりと付着しています。
筋の位置関係を学ぶついでに、神経の走行についても覚えよう。
腓腹筋の支配神経は脛骨神経です。なかなか覚えにくいですが、覚えて損はありません。特に学生の皆さんは国家試験にも出るので覚えておきましょう。
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腓腹筋は紡錘状筋
腓腹筋の解剖学的特徴はいくつかありますが今回は腓腹筋の構造についてお話します。
〇腓腹筋は紡錘状筋
紡錘状筋とは筋の長軸方向に対して平行して筋線維が並んでいます。また筋線維の長さが筋の全長とほぼ等しいことが特徴です。筋線維の総数は比較的少なく線維長は比較的長いと言われています。
紡錘状筋は大きな力は出すことはできないですが、収縮スピードは速いのも特徴です。ただこれは筋繊維のtypeでも言えます。
腓腹筋は白筋、つまり速筋です。収縮スピードは早いけど長続きはしないです。
〇なぜふくらはぎはつりやすいのか。
足がつる、いわゆる痙攣は経験されたことがある方が多いと思います。原因は数多く、ミネラル、ビタミン不足や筋疲労など様々なことが言われています。
今回は腓腹筋の筋疲労について少しお話します。
腓腹筋は立位を保持するとき、歩くとき、立ち上がるときなど常に働いています。筋肉は働けば働くほど、硬くなり、血流が悪くなります。血流が悪くなるとミネラル不足などになり、足がつるというメカニズムになります。
腓腹筋を鍛えよう
腓腹筋のトレーニング方法は多くありますがどこでも簡単にできるものを紹介します。
〇カーフレイズ
立位で膝を伸展位で保持したまま、つま先立ちを行います。片足で行ったり、段差をうまく使って行いましょう。
腓腹筋が原因となる弊害
腓腹筋は足にも作用しますが、膝にも作用します。今回は生活にまつわることをいくつか紹介します。
〇しゃがめない
腓腹筋が硬いと足関節背屈ができなくなり、うまくしゃがめません。最近では小学生や中学生でしゃがめない子が急増しており、意外と大人の方がしゃがめたりしています。これは生活様式が昔と違い変化したことなどが原因だと言われています。高齢者の方でもよく膝が痛くてしゃがめないと言ってる方もいますが、腓腹筋が硬いためできない方も多く見られます。
・しゃがめこみの簡単な評価
しゃがみこみの簡単な評価があります。
開始時は立位で足をしっかり閉じて踵を付け、胸の前で腕を組みます。
この状態のまま、踵は浮かさずにしゃがんでみましょう。下までしゃがめたら合格です。
〇階段が痛い
これも腓腹筋が硬いことで起こりうることです。階段時痛はよく膝で降段時見られます。
降りる方が膝には負担がかかりやすいことも挙げられますが、腓腹筋が硬いと足関節背屈はできません。そうするとその分膝の力を使い、カバーします。それを繰り返しおこなっていくと膝にストレスがたまり、膝痛を起こします。
いかがだったでしょうか。意外と腓腹筋は生活の中でも使っています。