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vol.1 世界最貧国でも幸せな国マラウイ 

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マラウイってどんな国?

 マラウイという国をご存知でしょうか?

 最近テレビやニュースで世界最貧国として報道されたことで、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。

 マラウイは、アフリカ南東部に位置しており北海道と九州を合わせた程度の大きさに人口約1700万人が住んでいます。

 マラウイの一人当たりのGNI(国民総所得 Gross National Income)は250米ドルで、世界213カ国中213位と最下位。この数字からマラウイは世界最貧国と呼ばれています。

 マラウイは今まで多くの国からの支援によって成り立っており、ドナーからの財政支援が国家予算の約4割を占めていました。

 しかし、2013年に汚職事件があり現在は支援が減らされ、さらに2012年に変動為替性へ移行したことで、2015年に1ドル500MKW(マラウイの通貨)であったのが、現在は700MKWと異常な変動を起こし国民は苦しい生活を強いられています。

 マラウイの経済は農業が柱です。労働人口の80%が農業を営んでおり、自給作物は主食のメイズ(トウモロコシ)、農産輸出品はタバコ葉やお茶、砂糖、コーヒーなどを生産しています。

 そしてこの農業にも問題があり、99%の農地では天水に依存しているため、ここ数年は洪水被害や降水量の減少による食料不足が深刻化しています。そしてWFP(国際連合世界食糧計画 United Nations World Food Programme)による緊急食料支援が現在も行われています。

画像:日本にも輸出されているタバコの葉

 

 こんな世界最貧国マラウイですが、

「Warm Heart of Africa」

と呼ばれていることを国民が誇りに思っており、とても心の温かい人が多く人と人との繋がりがとても強い国です。

 マラウイでは、ご飯が食べられることが幸せ、近所の人と井戸端会議をすることが幸せ、家族と一緒に過ごすことが幸せ。経済的には貧しいですが、幸せに暮らす人々。

 マラウイでは日本のように便利な生活はできませんが、毎日生きているだけで幸せだと気づかせてもらいました。

 

 

 

マラウイの医療

 マラウイの医療は全て無料。

 診察もレントゲンも薬もリハビリテーションも全て無料。

 すごく良く聞こえるかもしれませんが、現状は深刻です。

 医療従事者と患者間には大きな格差があり、例えば緊急の処置を必要としている患者がいたとしても看護師はナースステーションで談笑している。

 リハビリテーションは自主トレがメインで、担当スタッフは隣で携帯電話のゲームをしているのは病院で働く医療系隊員にとっては日常茶飯事のようです。

 また、薬の管理ができておらず、新しいものは前に置いていくという使い方をしているので、在庫不足にもかかわらず使用期限が切れてしまっており使用できない。

 他には、多くの国から援助物資が来ても封も開けられずに放置されたままになっている。これらの物資は使用方法が分からなくて使われていなかったり、そもそも現場では全く必要のないものであったりします。

 

 

 この援助が当たり前というマラウイの環境を作ってしまったのは、僕ら先進国なのではないでしょうか。

 だからこそ、現場で現地の人々とともに働き本当に必要な事は何なのか発信していくことが必要なのだと思います。

 そして、頑張って働いたところで給料が増えるわけではありませんが、患者さんの笑顔やその他のお金には変えられないやりがいを同僚に見出してもらえるような活動ができるよう、残りの任期を全力で過ごしていきたいと思います。

 

 

*目次

【Vol.1】世界最貧国でも幸せな国 マラウイ

  マラウイの現状と医療

【Vol.2】マラウイにおけるリハビリテーションの現状

  マラウイでの生活とマラウイのリハビリテーション

【Vol.3】マラウイのリハビリテーション教育

  リハビリテーションテクニシャンと理学療法士

【Vol.4】マラウイへの外部支援

  マラウイの未来のために

 

金野 健人先生

2012年3月 北海道文教大学卒業
2012年5月 社会福祉法人 北海道社会事業協会 余市病院 入職
2015年9月 社会福祉法人 北海道社会事業協会 余市病院 休職
2016年1月 独立行政法人国際協力機構 青年海外協力隊 マラウイ派遣

vol.1 世界最貧国でも幸せな国マラウイ 

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