どうしたら言語聴覚士になれるのか?
言語聴覚士の仕事をするには”国家資格”が必要
高校卒業後、文部科学大臣が指定する大学(4年制、3年制短大)、または、厚生労働大臣が指定する言語聴覚士養成所(3年ないし4年制の専修学校)に入学し、必要な知識と技能を修得し、卒業する必要があります。
一般の4年制大学を卒業した場合は、専修学校(2年制)で必要な知識と技能を修得する必要があります。また、外国の大学などで言語聴覚士に関する学業を修めた場合は、厚生労働大臣の審査・認定を受けることで受験資格が得られます。
最短コースは、高校卒業後に国が指定した養成校(専門学校)へ進学するコースです。養成校を卒業すると国家試験の受験資格が付与されます。
資格はとりやすい?
既卒者を含めた平均合格率は60%
言語聴覚士国家試験の合格率は、平成15年から平成25年の間では、50%台後半から70%弱を推移しています。既卒者を含めた平均合格率は60%で、新卒者の合格率は80%です。
養成校でコツコツ授業の内容を修得していれば合格できる状況であり、「落とすため」の試験ではありません。過去の傾向をつかみコツコツ国家試験の勉強を行っていけば合格のハードルは高くはないでしょう。
資格取得後どこで働いているの?
これからの地域医療に期待される
言語聴覚士会員の約7割弱が医療機関で仕事をしているのが現状です。主として病院で働く言語聴覚士が多いのがわかります。次に多いのが老人保健施設や特別養護老人ホームで約8%となります。
現在、治療や支援を必要としている患者さんの数に対してまだまだ不足しています。また、国の政策から今後は在宅での生活を目指したリハビリテーションの必要性が高まってきます。
今後、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった介護保険領域でも言語聴覚士が大いに活躍を期待されています。
(日本言語聴覚士協会の調査(2012年7月)より)
どこで学ぶのか?
言語聴覚士は1999年以降、毎年1千5百名程度が言語聴覚士となり、有資格者数は、2012年3月には2万人を超え、2013年には約2万2千人となっています。
言語聴覚士を目指す養成校には、大学、短期大学、専門学校があります。また、通常3年以上の履修が必要ですが、言語聴覚士養成大学以外の4年生大学卒業者は学校によっては2年で修了することが可能です。
自分のスタイルにあった学校を探しましょう。
定員は?
毎年受験者数は2500名前後受験
現在全国の養成校数は72校ほどあり、短大・大学は約900名、専門学校は昼間1600名程度、夜間でも100名弱の定員があります。毎年受験者数は2500名前後受験していることから、募集定員と入学希望定員は同数程度と考えられます。
【なるにはチャート】を見てもわかるように、高校からストレート、4年制大学卒業後などにより幾通りも異なる方法があります。自分が選択でき、自分にあった方法で目指すことをおすすめします。
誰に何をするのか?
定義
音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいうと定義されている。(一般社団法人 日本言語聴覚療法協会より)
法律
第1章 総則
目的
第一条 この法律は、言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
定義
第二条 この法律で「言語聴覚士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。
具体的には
言葉によるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。
言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。(一般社団法人 日本言語聴覚療法協会より)
言語聴覚士Q&A(よくある質問を公開)
<POST編集部が執筆した書籍>
この他、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対する100の質問に現役療法士が答えた書籍では、療法士の恋愛事情や、結婚情報など様々な質問にお答えしています!
今後の展望
現在約2万人の言語聴覚士が仕事に従事していますが、まだまだ不足しているのが現状です。また、高齢化社会に伴い、国は政策の一つとして医療保険から介護保険への円滑な移行をすすめており、在宅での生活を目指したリハビリテーションの必要性が高まっています。
今後、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった介護保険領域でも言語聴覚士が活躍する場は拡大していくと思われます。(めざせSTより)