認知症は、2050年に世界で1億3000万人に達し、日本でも2025年には700万人を超える。
認知症者発症者による事件事故も後を絶たず、大きな社会問題となっている。
そんな中、国際アルツハイマー病会議(AAIC)でこんな発表がされた。
認知症の3件に1件は、生活習慣など生涯を通じて脳の健康のために意識的に行動することで予防できる――。
「今すぐ行動すれば、認知症患者や家族の生活を大きく改善できるし、それが社会全体の将来を変えることになる」
(前略) 今回の論文は、認知症の予防には生活スタイルが大きく影響すると指摘している。
引用元(詳細を読む):BBC News
予防が可能とされる因子のリスク度は、以下の通りだ。
・中年期の聴力低下 9%
・中等教育の未修了 8%
・喫煙 5%
・うつ 4%
・運動不足 3%
・社会的孤立 2%
・高血圧 2%
・肥満 1%
・2型糖尿病 1%
これらを合計すると35%となる。
生活スタイルを変えることで認知症の1/3以上が予防出来る可能性がある事になる。
認知症の予防には、普段から頭を使う事で脳の機能を維持できる「予備力」を高めることが必要だとされている。
中年期の張力低下により外部からの情報量が低下し、脳への刺激が低下してしまう。また、中等教育を修了していないことも脳の機能低下につながるが、それでも学びを続ければ脳の予備力は向上するとの事だ。
また、心血管系の健康も重要だと指摘されている。
認知症の種類は様々だが最も多いアルツハイマー型認知症では、アミロイドβ蛋白質の蓄積により脳の神経細胞が破壊され、脳の萎縮が起こることが原因とされている。その時、その他の「予備力」がどれだけ備わっているかによって認知症状の発症を抑えることが出来るという事であろう。
認知症は発症してから治すのではなく、発症前からの予防が大切だと再認識させられる報告だ。