日本で初めて、半月板損傷患者を対象とした幹細胞移植の治験が開始されるー。
東京医科歯科大学医学部附属病院は半月板損傷に対する自家培養滑膜幹細胞移植の医師主導治験を平成29年8月から開始します。(中略)平成27年4月までに5例の臨床研究を実施しました。これら5例の術後2年経過において、重篤な有害事象を認めず、全例において、臨床スコアの改善を認めました。
詳細を読む(引用元):https://research-er.jp/articles/view/61163
半月板損傷はリハビリテーションや抗炎症薬などの保存療法で症状が改善しない場合は、手術療法が適応となりその多くは切除術(損傷した部分を切り取る)が選択される。
半月板を取り除けば、当然取り除いた部分の半月板は機能しなくなり、膝関節の関節軟骨への負担は増加し、変形性膝関節症のリスクは大きくなる。
理学療法士はこれらに対し、膝関節の負担を軽減し痛みの改善を図ってきたが、今回の治験が進み幹細胞移植が保険適応になれば、そもそも半月板を正常に戻すことができるようになるためリハビリの目的が変わってくる。
ここで勘違いしてはいけないのが、理学療法がいらなくなるわけではない。
組織が正常に戻っても、機能が正常に戻るわけではない。活動・参加レベルに適応した機能の獲得や、さらにスポーツ復帰するにはそれ以上のパフォーマンスの再獲得に向けたリハビリテーションが必要になる。
今後は半月板だけでなく様々な部位の再生医療が標準化されてくるだろう。
そのためには、学校で学んだ知識だけではなく常に知識・技術をアップデートしていく必要がある。
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