臥位から立位へ起き上がった際に、自律神経機能の低下による血圧調整がうまくいかなくなり生じる立ちくらみ(起立性低血圧)。
脊髄損傷などの疾患によるもの以外にも、高齢者の20%以上の方にみられるとされ多くの人が悩まされている。
現在の基準だと立位後3分以内に測定し、①収縮期血圧が20mmHg以上低下、②収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下、③拡張期血圧が10mmHg以上の低下のいずれかの条件に当てはまった場合、起立性低血圧の診断が下る。
今回、新たに米国の研究で転倒などの事象を踏まえて、血圧の測定は起立後、何分以内に測定した方がいいのかが明らかになった。
国際的なガイドラインは、起立性低血圧(OH)の評価は臥位から立位になってから3分後に行うとしているが、測定の最適なタイミングは明らかではなかった。米国Johns Hopkins大学のStephen P. Juraschek氏らは、立ち上がった直後から何度か血圧測定を繰り返し、中央値で23年間追跡して、転倒・骨折・失神などの有害事象のリスクを調べて、立位になって1分以内の測定値に基づくOH診断が最もリスクを反映していたと報告した。
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1分以内、つまり起き上がってより早く評価測定した方が、転倒などのリスクを避けるのに必要な数値が計測できるようになる。
起立性低血圧が生じる方には、ギャッチアップや起立台などで段階的にあげたり、弾性包帯(ストッキング)を使用するなどの対策があげられる。
療法士がつい見逃しやすいポイントではあるが、転倒リスクを予防するためにもしっかり評価していく必要がある。