骨盤底筋体操で性感度UP
ー 女性のヘルスケア分野に興味をもたれたきっかけを教えてください。
辻先生 平成19年に第一子の妊娠をした時、妊娠中の尿失禁を経験しました。当時、今のような知識も経験もなく「体育会系の私がなぜ」と、その理由もわかりませんでした。ただ学生時代、恩師の中島先生から勧められレッドコード研修会に参加した際、骨盤底筋群の評価やアプローチ方法は学んでいました。
さらに、熊本セントラル病院に入職していた頃にも、中島先生のお手伝いで、骨盤底筋群の筋電図をとる研究にも関わっていました。それにもかかわらず、自分は尿失禁を経験して、知識と自分自身の体との乖離を感じました。
第一子出産後の退院の日、あるきっかけで骨盤底筋体操のパンフレットを目にし「私これ知っている。妊娠中やればよかったのかな」と思い、自宅に帰った後から実践し始めました。体育会系なものですから、子供が寝静まった後に、ハードなトレーニングを重ね、その効果に驚きの連続でした。
まず一つに、尿失禁がなくなったことは、効果として体感しました。その他、私が腰椎椎間板ヘルニアの手術を高校生の頃に受けてからも、時々起こる腰痛に悩まされていましたが、それも無くなりました。
症状改善としての効果のほか、スタイルアップももちろんありましたが、性感度の向上がみられたことには、非常に驚きました。私の中で、第一子を出産することで、「女性として見られなくなってしまうのではないか」という悩みもありましたが、出産後にも関わらず夫から「子供を産む前よりも体(骨盤底筋群)が整っているよね。」という声が聞けて非常に嬉しかったですね。
特に、私は一度離婚を経験しているので、パートナーシップの重要性は身に染みています。心や相性といった側面のパートナーシップはもちろんですが、フィジカル面での健康も並行してとても重要だなと思うきっかけとなりました。
自身の苦労
辻先生 実は、第一子を産んだ後、第二子を授かるまでに様々な苦労がありました。脱サラした夫を支えるため、仕事を続けなければならず、さらにその間に流産も経験しました。第二子を授かるまでに約7年経過していたのですが、逆にその年月があったので周囲の方々に恵まれフランスの研修に参加することができたのかもしれません。
フランスは、産後リハビリテーションの先進国であり、すべての女性は10回程度まで無料でリハビリテーションを受けることができます。そこで、自分がストイックに行ってきたトレーニングが、楽に効率よくトレーニングできることを知りました。女性にとっては大きな7年間であり、私自身も体力や気力面でも落ちてはいましたが、大切な7年間となりました。
続くー。
【目次】
第一回:離婚、うつ病、休職から得た教訓
第二回:第一子妊娠中に尿失禁を経験
辻先生オススメ書籍
辻陽子先生のプロフィール
熊本で病院施設勤務をしながら、約10年間の非営利団体での尿失禁予防の啓蒙活動を行う。開催講座は200回以上。延べ参加者数2500人以上。約3年前に家族で予防医学を軸にした一般社団法人を設立。会員制がん予防リスク評価事業と女性のヘルスプロモーション関連事業(病院・助産院・大学と連携。産前産後・尿失禁予防)を行っている。熊本地震をきかっけに産婦人科医院にて院内講座を開始。民間での他職種連携のもと第一次予防分野の普及に努めている。
【資格】
・理学療法士日本コンチネンス協会認定・コンチネンスリーダー
・APTA認定 骨盤底の理学療法Level1 修了
・ガスケアプローチ受講in Paris
・二児の母
【所属】
・一般社団法人FPランド 代表理事
・産後リハビリテーション研究会 副代表
・日本コンチネンス協会
・女性の為の異業種研究団体~with women~ 広報
辻先生登壇イベント情報
【福岡開催】2017年11月26日 ウーマンズヘルスケアフォーラム2017
《概要》
日時:2017年11月26日(日) 9:00~17:00
料金:
プレミアム席→¥18,800
A席→¥16,800
B席→¥14,800
※全て税込みの値段です。
会場: 南近代ビル(JR「博多駅」よりバスで5分)
定員:350名